1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61108002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢野 俊正 東大, 農学部, 教授 (00011867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃倉 辰六郎 京都大学, 農学部, 教授 (70026524)
田口 久治 大阪大学, 工学部, 教授 (90028944)
児玉 徹 東京大学, 農学部, 教授 (30011901)
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
安本 京傅 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026514)
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Keywords | エクストルージョン / 超臨界二酸化炭素 / W / O / W型エマルション / サイクリックグルカン / サイクロデキストリン / 配糖体の変換 / グルタミナーゼ / リパーゼ |
Research Abstract |
本研究では、食品素材の品質変換操作の科学的基盤を、食品としての望ましい機能の発現という新しい視点に立って確立する事を目的とし、物理的変換操作としてextrusion cooking,超臨界流体の利用、エマルション状態の利用をとりあげ、生化学的および生物工学的変換操作として酵素・微生物および植物培養細胞の利用を検討の対象とした。extrusion cookingについては、各種作物の加工特性の検討(國府田)とともに、加工による消化率・蛋白効率等の栄養機能の向上が明らかにされ(安本)、また、加工前の粉体脱脂・乾燥処理が加工後の多孔質構造だけでなく、澱粉糊化度や水分収着特性に影響を及ぼす事が示され(矢野)、多孔質構造制御を通した素材の機能性制御への展望を拓いた。超臨界二酸化炭素の利用については、原料の脱脂による清酒品質の向上、ゴマ油中の抗酸化剤含量の増大等の結果が示され(小林)、また、W/O/W型エマルション状態を利用した低乳脂肪クリームの調製法についても検討を行った(松本)。近年注目を集めているCyclic glucanや分岐Cyclodextrinへの糖質の変換については酵素による変換操作を適用すべく、その合成酵素を精製して諸性質を解析するとともに、変換産物が水難溶性の色素やビタミン・医薬品等の可溶化に大きな効果を有する事が示された(田口・檜作)。色素・呈味料としての利用や高血圧予防効果が期待される配糖体の変換についても検討し、微生物由来の変換酵素の解析とともに、ブドウ培養細胞による効率的な配糖体生産法を開発した(児玉)。蛋白質の機能変換において呈味性の鍵を握るグルタミナーゼおよび脂質への高度不飽和脂肪酸導入に利用可能なリパーゼについても検討を行い、それぞれの諸性質を明らかにして変換操作への道を拓いた。(栃倉・太田)。さらに、各種野菜汁液の機能改善を試み、乳酸菌接種による風味改善を伴った飲料ベースへの変換が可能である事を示した(高尾)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Shimiya: Agric.Biol.Chem.51. 25-30 (1987)
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[Publications] Y.Shimiya: Agric.Biol.Chem.51. 31-35 (1987)
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[Publications] M.Taniguchi: J.Ferment.Technol. 65. (1987)
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[Publications] M.Taniguchi: Agric.Biol.Chem.51. (1987)
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[Publications] M.Taniguchi: 日本食品工業学会誌. 34. (1987)
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[Publications] J.Ade: Carbohydr Res.154. 81-92 (1986)
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[Publications] K.Koizumi: J.Chromatogr.360. 397-406 (1986)