1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61109004
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塚越 広 医科歯科大, 医学部, 教授 (20009905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八瀬 善郎 和歌山県立医科大学, 応用医学研究所, 教授 (30073729)
中西 孝雄 筑波大学, 医学部, 教授 (40009965)
出口 武夫 東京都神経科学総合研究所, 副参事 (20073059)
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
加藤 尚彦 東京大学, 医学部, 助教授 (80010023)
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Keywords | 運動ニューロン / 運動ニューロン疾患 / Cholinacethyltrans ferase / neurofilament蛋白 / α-アミノ酪酸 / モノクロナール抗体 / LDH活性 |
Research Abstract |
本研究班は運動ニューロン、運動ニューロン疾患(MN,MND)の特異性解明を目的とした。佐竹班員は牛脊髄MNのneurofilament蛋白の高リン酸化成分に特異的なモノクロナール抗体で牛脊髄を染色すると、軸素のみが染まり、MNDの腰髄嗜銀球も同様に染まることを認めた。加藤班員は猫、兎などの脊髄MNはα-アミノ酪酸(GABA)とグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)を含み、対照ヒト及びMNDの脊髄MNはGABAを含むが、GADは認められないと述べた。林班員は猫頚髄MNのLDH活性は、運動機能発達につれて高値から低値となることを認め、猿の單一筋線維のLDH活性を測定した。出口班員は牛、猿の線条体のcholinace thyltransferaseよりモノクロナール抗体を作り、猿の中枢神経を染色し、ヒト胎児脊髄MNも同様に染まることを認めた。長谷川班員はラツト細胞培養骨格筋にフグ毒感受性・低抗性の両チャネルが存し、イモ貝毒素geographutoxinがこれらを識別することを示した。吉野班員はラツトの甲状腺ホルモンの過不足が中枢神経、、肝、骨格筋の含硫アミノ酸の変動を来すことからMNDと甲状腺の関連を推測した。中西班員はcollision法による新しい神経伝導速度測定法を考案し、蛙、正常ヒト、MNDについての測定値を示した。萬年班員はMNDの皮膚膠原線維が対照と比べ、断裂、径の細小化を示し、線維間にルテニウムレツド陽性無定形物質沈着を認めた。金光班員はラツト固有背筋、側腹筋、腹直筋にhorse radish peroxidaseを注入し、対応する胸髄MNの局在を明らかにした。八瀬班員は低Ca・Mgまたは低Ca・Mg・高Alで飼育した猿の脊髄に嗜銀球とMNの面積及び周長が対照とは異なることを示した。塚越班員はGolgi染色によるMNDの脊髄MNの樹状突起の分枝数は対照よりも減少し、径も小さいことを認めた。 以上MNの変性機序解明には至らなかつたが、このような基礎的データーの積み重ねが重要と考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kato;YL,Murashima: Neurochem.Res.(1987)
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[Publications] I.Ishida;T.Ichikawa;T.Deguchi: Proe.Natl.Acad.Sci.83. 308-312 (1986)
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[Publications] S.Ohsako;I.Ishida;T.Ichikawa;T.Deguchi: J.Neurosei.6. 308-312 (1986)
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[Publications] T.Nakanishi;M.Tanuki;H.Mizusawa;T.Akatsuka;T.Kinoshita: Electroencephalogr.Clin.Neurophysiol. 63. 484-487 (1986)
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[Publications] S.Ono;Y.Toyokura;T.Mannen;T.Ishibashi: Neurology. 36. 948-956 (1986)
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[Publications] M.Yamada;S.Ohno;I.Okagoe;R.Okeda;S.Hatakeyama;H.Watanabe;H.Thukagoshi: Acta Neuropathol.70. 273-278 (1986)