1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61112006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
万波 通彦 京大, 工学部, 教授 (60025294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 正和 理化学研究所, 主任研究員
大槻 義彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063649)
塙 輝雄 大阪大学, 工学部, 教授 (00028953)
福沢 文雄 京都大学, 工学部, 教授 (70025849)
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Keywords | 表面チャネリング / イオン荷電変換 / ISS / イオン散乱 / 表面構造 |
Research Abstract |
1.装置製作、固体表面状態を制御するためには、超高真空及び計測装置は不可欠である。昨年度に続き、荷電分布測定装置、四重極質量分析器、平行平板電子分光装置、RHEED装置等の整備、製作を行った。 2.研究成果。(【i】)SnTe単結晶表面で小角散乱したMeV軽イオンのエネルギー損失スペクトルに微細構造を見出した。等間隔にあるピークは、結晶表面第一、第二、第三原子層の散乱に対応すること、したがって、これら原子面の情報がえられる可能性があることを示した。また、結晶表面附近を通る【H^+】,【He^+】イオンに対する結晶表面からの距離に依存する表面の阻止能を実験的に決定した。従来、理論的計算はなされていたが実験的に求めた最初の結果である。(【ii】)表面反射イオンに伴走する電子(convoy電子)のエネルギー測定を行い、【H^+】,【He^+】において著じるしい相違を見出した。相対的に高速をもつ【He^+】の伴定電子は、結晶内電子の動的応答による電荷ゆらぎにより析力をうけると考えて説明できることを示した。(【iii】)後方数乱法により、清浄表面におけるH(MeV程度のエネルギー)の平均電荷、荷電分布の測定を行い、標的依存を検討中である。【He^+】に較べ標的原子依存は少いが、多少の【Z_7】による振動が認められる。(【iv】)低速イオンの後方散乱における非弾性散乱につき、より精密、かつ多種の表面について測定を行った。理論的解析を併用した結果、非弾性散乱と電荷移行とが、このエネルギー損失に大きな役割を果していることが明らかとなり、基本的には、この異常を解明することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ei【r!-】o TAKASUKA;Kenji KIMURA;Hiroyasu KAWAUCH;Michihiko MANNAMI: Surface Science. 166. 327-332 (1986)
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[Publications] M.MANNAMI;Kenji KIMURA;Kenji NAKANISHI;Akira NISHIMURA: Naclear Instraments A Uetheds in Physics Research. B13. 587-593 (1986)
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[Publications] 木村健二,万波通彦: 結晶学会誌. 28. 273-280 (1986)
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[Publications] Kenji KIMURA;Akira NISHIMURA;Michi-hiko MANNAMI: Surface Science. (1987)
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[Publications] Kenji KIMURA;Michi-hiko MANNAMI: Nuclear Instruments and Methods in physics Research. (1987)
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[Publications] Kenji KIMURA;Masataka HASEGAWA;Michihiko MANNAMI: Physical Review B. (1987)