1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61113012
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 義人 岡山大, 国立大学(その他), 教授 (20033128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正典 金沢医科大学, 講師 (90125097)
寺倉 清之 東京大学, 理学部, 助教授 (40028212)
岡田 勲 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (60011582)
塚田 捷 東京大学, 理学部, 助教授 (90011650)
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Keywords | ケイ酸塩鉱物 / 第一原理計算 / 計算機シミュレーション / 分子動力学計算 / フルオロベリリウム酸塩融体 |
Research Abstract |
本年度の理論班の努力は、Mg-Si-O系のよい経験的ポテンシャルの導出とその分子軌道法および分子動力学法による正確さの検証に集中された。WMIN法を用いて松井(正)が発見したMANポテンシャルおよびMS-1ポテンシャルに対し、塚田は【(SiO-4)^(4-)】【(SiO-6)^(8-)】クラスターのab initio 計算による詳細なポテンシャル表面の計算を行い,2体中心力近似がSi【O_4】 Si【O_6】に有効でかつ経験的ポテンシャルが与える力の場が非経験的計算の結果と良好な一致を示すことを見出した。これはケイ酸塩系の力学的取扱いにおける2体中心力近似に物理的根拠を与えるものである。 結晶の動的挙動に対して、上記MS-1は有効に適用された。松井(義)と河村は、ホタル石型Si【O_2】の格子力学的不安定化の分子動力学計算を徹底的に実行し、その結果少なくとも2種の相(α-Pb【O_2】型およびパイライト型)が生じ得ることを報告した。パイライト型Si【O_2】の可能性は、これまで全く考慮されたことのなかったものであるため、寺倉によってこの仮想的物質の第一原理計算が開始された。この計算は同時に、O-O間の実効ポテンシャルに対する情報も与えるものと期待されるが、完成は来年度にもちこされる。 以上のように、第一原理計算、WMINによる経験的ポテンシャルの探索と結晶の物性の予測、分子動力学計算による動的挙動の追究は、たがいに相補的であることが認められ、本研究の方法論が確立したと考えられる情況に到達し、所期の成果の実現は確実と予想されるに至った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松井義人: 鉱物学雑誌. 17. 253-263 (1986)
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[Publications] Y.Matsui: "High-Pressure Research in Mineral Physics",Terra/Am.Geophys.Union. (1987)
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[Publications] K.Furuhashi: Mol.Phys.59. (1987)
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[Publications] M.Matusi: Phys.Chem.Minerals. 14. 101-109 (1987)
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[Publications] Y.Matsui: Structural and Magnetic Phase Transitions in Minerals. (1987)