1986 Fiscal Year Annual Research Report
マグマの流動現象に関与する分子輸送係数の測定と動的メルト構造の解明
Project/Area Number |
61113014
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
谷口 宏充 阪府科学教育セ, その他, 研究員 (70125251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇島 修 大阪府科学教育センター, 研修第1部, 研究員 (40132972)
村瀬 勉 職業訓練大学校, 基礎学科, 教授
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Keywords | マグマ / 表面張力 / 密度 / 粘性 / 高圧 / メルト構造 |
Research Abstract |
今年度は、灰長石-透輝石系メルトの1気圧・高温下における表面張力,密度,粘度の測定,整理と高圧下における密度,粘度の測定を試み、物性の相互関係とメルト構造に対して考察を行った。又、この系列の1気圧下における測定は年度内に完了する見通しがあったため、新しく曹長石-透輝石系を選び、1気圧・低温下(ガラス転移温度以下)における密度,屈折率の測定を行った。それらの結果の内、灰長石-透輝石系メルトについては、以下のようにまとめることができる。 1.表面張力(液相温度以上)、密度(室温〜1600℃)、粘度(ガラス転移温度〜1600℃)と組成、温度との関係式を最小二乗法によって決定し、それら物性値を温度、組成から精度良く算出できるようにした。 2.Reiss等の剛体球液体モデルに基づき、Di64An36組成メルトの等温圧縮率を1気圧下における表面張力、熱膨張率から推定した。この推定値は実測値に極わめて良く一致した。 3.1気圧下において、温度変化による粘性の変化は、ガラス状態から液体状態という広い温度範囲を対象とした時、配置エントロピー説によって正確に記述されるが、温度範囲を液体状態に限定するなら自由体積説も精度良く成立する。 4.3,4の実験事実を基にしてメルト構造に対する考察を行った。その結果、透輝石に富む組成での構成単位の平均直径は約13【A!°】程度であり、流動単位としてはオルソ珪酸陰イオンである事が推定された。
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Research Products
(2 results)