1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61115002
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤沢 仁 旭川医大, 医学部, 教授 (10027039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
武田 誠郎 広島大学, 医学部, 教授 (40030853)
上田 国寛 京都大学, 医学部, 助教授 (00027070)
市山 新 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90025601)
伊豆津 公作 三重大学, 医学部, 教授 (50024617)
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Keywords | カルシウムイオン / ホルモン / 神経伝達 / 細胞増殖 / モノアミン / カルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素 / 蛋白質リン酸化酵素C |
Research Abstract |
ホルモンや神経の伝達機構、細胞増殖機構等の細胞機能の発現にカルシウムイオンが果している役割を分子レベルで明らかにするために、特にカルシウムイオンによる代謝調節の面から検討し以下の知見を得た。 カルシウムイオンによる細胞増殖の調節に関しては、細胞分裂の過程を通じて細胞内遊離カルシウムイオン濃度の変化とインターロイキンおよびそのレセプターの発現時期、DNA合成時期との関連を追究した。また細胞核におけるADP-リボシル基代謝酵素,グリコヒドロラーゼの反応様式の解析を行ない、二相性を示すことを明らかにした。チューブリンをリン酸化するチロシンキナーゼの可溶化も行ないチューブリンに対して異なった親和性をもつ二種類の亜型を分離してその性質を検討した。カルシウムイオンによるホルモンや神経伝達機能の調節については、脳に多量に存在し神経機能の調節に重要な役割を果していると考えられているカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素【II】の性質について研究を進め、酵素が自らをリン酸化して不活性化するという自己調節機構を備えていることを見出し、その分子機構を検討した。酵素の内存性基質についても追究し、ミオシン重鎖のリン酸化やアクチン活性化Mg-ATPaseの活性化等に関与していることを見出した。またセロトニン合成酵素であるトリプトファン水酸化酵素の活性調節機構についても研究し、酵素活性が鉄イオンによって調節されていることやCキナーゼでリン酸化されることを見出した。生体リズムを制御しているカルシウム依存性のメラトニンリズムを分子レベルで明らかにするためにメラトニン合成酵素の遺伝子クローニングも開始した。その他、これらの種々の細胞機能において広汎なカルシウム作用に関与しているCキナーゼの活性化機構についての研究も進め、【Na^+】/【H^+】交換輸送系の活性化が引き金となり、細胞膜プロテアーゼが活性化する事を見出した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamauchi,T.: Biochim.Biophys.Acta. 886. 57-63 (1986)
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[Publications] 奥野幸子: 蛋白質,核酸,酵素. 31. 1841-1850 (1986)
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[Publications] Hatakeyama,K.: J.Biol.Chem.261. 114902-1491 (1986)
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[Publications] Ishida,I.: Proc. Natl. Acad. Sci.83. 308-312 (1986)
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[Publications] Tanaka,E.: J.Neurochem.47. 254-262 (1986)
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[Publications] Hashimoto,E.: FEBS Lett.200. 63-66 (1986)
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[Publications] Fujisawa,H.: "AMINO ACIDS IN HEALTH AND DISEASE:NEW PERSPECTIVES UCLA Symposia on Molecular and Cellular Biology,New Series,Volume 55" Alan R.Liss,Inc.,New York,NY,