1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61115003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 實 東大, 医学部, 教授 (50009990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入沢 宏 国立岡崎共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (30033947)
小川 靖男 順天堂大学, 医学部, 教授 (50103841)
山本 泰望 大阪大学, 理学部, 助教授 (50028221)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
富田 忠雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (50078763)
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Keywords | カルシウム動員 / 小胞体 / 膜電位依存性カルシウムチャンネル / イノシトール三燐酸 / カルシウムによるカルシウム放出 / カルシウムポンプ |
Research Abstract |
本計画研究班は、骨格筋、心筋、平滑筋、非筋細胞のそれぞれにおいて、刺激に応じて、応答反応を惹き起こすカルシウムイオンの動員機構を、種々の面から多角的に検討し、その解明に迫ることを目的としている。本年度得られた成果は総括班でまとめた報告書に記された通りであるが、現在進行中の研究と併せて次の様にまとめることが出来よう。 1. 骨格筋については、その生理的役割は疑問であるが、病態生理学的に、また、薬物の作用点として、よく知られているCa-induced Ca release(カルシウム誘発性カルシウム遊離)機構について、その作動モード、不活性化過程の解析(小川、山本)、リアノジンによる特異的結合(山本)や、ダントロレンによる温度依存性抑制(遠藤)の証明などを行った。このCa-induced Ca releaseのチャンネル物質抽出の為の、機能抑制モノクローン抗体の作製が進行中である(小川、遠藤)。また、生理的な、細胞膜脱分極に伴うカルシウム動員機構についても、細胞内灌流した単一線標本による解析が進行中である(遠藤)。 2. 心筋、平滑筋において重要な、細胞膜の電位依存性カルシウムチャンネルについては、パッチクランプ法で、細胞内PHの影響を解析した(入沢)。心筋小胞体のポンプ機能制御蛋白質ホスホランバンの分子レベルでの研究も進展した(多田)。 3. 平滑筋や、非筋細胞におけるカルシウム動員の為のメッセンジャーとして最近注目されているイノシトール三燐酸の作用が、0.1uM程度のカルシウムイオン濃度に依存する事実が発見され(遠藤)、今後の生理的役割の解明に大きな影響を与えた。また、カルシウム非依存性の平滑筋収縮にマグネシウムイオンが関与していることが明らかになった(富田)。
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[Publications] Ohta.T;Endo,M.: Proc.Japan Acad.62B. 329-332 (1986)
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[Publications] Kurebayashi,N.;Ogawa,Y.: J.Musule Res.Cell Motil.7. 142-150 (1986)
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[Publications] Morii.H.;Takisawa,H.;Yamamoto,T.: J.Biol.Chem.261. 11536-11541 (1985)
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[Publications] Kimura,J.;Noma,A.;Irisawa,H.: Nature. 319. 596 (1986)
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[Publications] Fujii,J.;Ueno,A.;Kitano,K.;Tanaka,S.;Kadoma,M.;Tada,M.: J.Olin.Invest.79. 79 (1987)
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[Publications] Ashoori,F.;Hidaka,H.;Tomita,T.: Br.J Pharmac.87. 15-22 (1986)