1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61115008
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西塚 泰美 神戸大, 医学部, 教授 (10025546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
浅野 朗 札幌医科大学, 教授 (30029938)
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
遠藤 実 東京大学, 医学部, 教授 (50009990)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
|
Keywords | カルシウム / レセプター / ジアシルグリセロール / イノシトールリン脂質 / プロティンキナーゼC / ホスホリパーゼC |
Research Abstract |
細胞情報の増幅伝達系においてカルシウムイオン(【Ca^(2+)】)が重要な役割を果している。ある一群の細胞刺激に際して、イノシトールリン脂質(PI)が分解され、ジグリセロール(DG)イノシトール三リン酸(【IP_3】)の産生が誘起される。DGはセカンドメッセンジャーとしてプロティンキナーゼCを活性化し、同じく【IP_3】は【Ca^(2+)】の動員を促進して【Ca^(2+)】受容蛋白質を活性化する。最近、【Ca^(2+)】による細胞機能調節の解明においてこれらの【Ca^(2+)】受容蛋白質や【Ca^(2+)】調節蛋白質の作用機構の解明の重要性が急速に増大している。本総括班では60および61年度にわたって【Ca^(2+)】受容蛋白質や【Ca^(2+)】調節蛋白質の作用機構と高次細胞機能調節における役割について総合研究を実施している。その結果、細胞刺激に対応したPIの分解によるセカンドメッセンジャーの産生、ことにホスホリパーゼCの活性調節にGTP結合性蛋白質が必須不可欠であることを見出した。GTP結合性蛋白質が【IP_3】による【Ca^(2+)】動員にも関与していることを示唆しており、今後の重要課題の一つとなっている。一方、情報の増幅伝達に作動するプロティンキナーゼCのクローニングに成功した結果、この酵素が数種の異った遺伝情報から発現されていることを見出し、細胞応答の多様性に重要な意義を持つ可能性が高まっている。【Ca^(2+)】依存性プロテアーゼについてもクローニングに成功し、他の【Ca^(2+)】受容性蛋白質との関連等、生理意義の解明の基盤を得ることができた。カルモジュリンやフラグミン等の【Ca^(2+)】受容蛋白質とその結合性蛋白質の動態と意義についても多くの知見が得られつつある。現在、これらの知見に立脚して高次細胞機能調節の総合的解析に着手している。ことに、数多くの阻害剤や活性化剤の開発研究を行っており、その成果が期待される。本班ではこれら個別領域の優れた研究を維持結集し、有機的な共同研究体制をとりつつ総合研究をさらに推進したい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Nishizuka,Y.: Science. 233. 305-312 (1986)
-
[Publications] Ohno,S.: Nature. 325. 161-166 (1987)
-
[Publications] Ito,M.: Biochemistry. 25. 4179-4184 (1986)
-
[Publications] Suto,K.: Biochemitry. 25. 435-440 (1986)
-
[Publications] Iino,M.: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1987)
-
[Publications] Hashimoto,T.: J.Physiol.370. 605-618 (1986)