1987 Fiscal Year Annual Research Report
先天性代謝病の病因解析と治療に関する研究(総括班)
Project/Area Number |
61119011
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
北川 照男 日本大学, 医学部小児科, 教授 (50058765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 史朗 東京大学, 医科学研究所病態薬理学, 教授 (40034954)
多田 啓也 東北大学, 医学部小児科, 教授 (20046907)
折居 忠夫 岐阜大学, 医学部小児科, 教授 (20045339)
薮内 百治 大阪大学, 医学部小児科, 教授 (20028335)
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部生化学, 教授 (10056070)
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Keywords | 先天性代謝病 / 先天性代謝異常 / 遺伝生化学 / 分子生物学 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
先天性代謝病の原因は, 遺伝生化学, 分子生物学的な異常に基づくものであり, その研究を推進するためにはこの方面の分野を専門とする基礎医学研究者の協力と援助が必要である. 一方, 先天性代謝病に基づく臨床的な異常は, それが単一の遺伝子の異常であっても, 各々の疾患によって, 肝臓, 腎臓, 内分泌系, 神経系, 血液系などに障害を生じ, その臨床像は誠に多種多彩で, 夫々を専門とする小児科学並びに内科学研究者が多角的・綜合的に研究することが必要である. この観点から大きなプロジェクトチームが組まれて先天性代謝病の病因解析と治療に関する研究が進められてきた. このように多方面の研究者が綜合的に研究するには, 幅広い各研究班の連けいと情報の交換が必要デアリ, 総括班が中心になってその情報交換と研究協力を促進してきた. そして, 研究を進める上で必要な症例や疾患モデル動物が各研究班に紹介され, 興味ある研究成果が得られた. 特に, コラーゲン代謝異常の病因・病態解析研究班と遺伝性血液疾患の病因解析研究班は, この研究班が組織されてから, 夫々研究対象とする疾患が全国から集まり, その病因解析著しく進展した. また, 先天代謝異常症の分子遺伝学的研究班でも, 尿素サイクル代謝異常症に関する研究試料が全国から集まり, 国際的にも高く評価される尿素サイクルの酵素の分子遺伝学的解析が進展している. リソゾーム酵素異常や複合糖質代謝異常の病因・病態の解析に関する研究班では, リソゾームの形態と機能に関する基礎的な研究が進展すると共に, 複合糖質代謝異常症の早期発見法の開発と病因の究明が行われた. 膜輸送障害に基づく代謝病の病因解析に関する研究班と酵素補充療法に関する基礎的研究班は, 各班員が協力して研究を推進し, 多くの業績が生まれ, 本研究班の目標は十分に到達されたということができる.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] KITAGAWA T.: Jpn J Human Genet. 32. 55-69 (1987)
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[Publications] SAKIYAMA T.: J.Inher.Metab.Dis.10. 301-304 (1987)
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[Publications] KITAGAWA T.: Enzyme. 38. 321-327 (1987)
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[Publications] OWADA M.: Acta Paediat Jpn. 30. IN PRESS (1988)
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[Publications] 崎山武志: 日本先天代謝異常学会雑誌. 3. 26-34 (1987)
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[Publications] 大和田 操: 周産機医学. 17. 889-894 (1987)
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[Publications] OWADA M.: "Advances in Neonatal Screening" Elsevier Science Pub.B.V, 10 (1987)
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[Publications] 崎山武志: "新小児医学大系 第4巻 小児病因論" 中山書店, 18 (1987)