1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61125002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 章 北海道大学, 工学部, 教授 (40001185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
向山 光昭 東京大学, 理学部, 教授 (60016003)
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
桑島 功 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)
亀谷 哲治 星薬科大学, 学長 (80004521)
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Keywords | ジエンの立体選択的合成 / プロスタグランジンの合成 / 二価スズエノラートの反応 / 不斉合成 / 光学活性ルイス酸 / トリメチルシリル基の置換基効果 / ジアゾ化合物の挿入反応 |
Research Abstract |
昭和61年度に行った研究内容を略記すると次の通りである。鈴木らはビニル型ホウ素化合物とビニル型ハロゲン化物のパラジウム触媒によるクロスカップリング反応を研究し、共役ジエンやトリエンの高度に立体選択的な合成法を開発した。ポリエン類は天然物中に多く見られる骨格であり、その立体選択的な合成法の確立が望まれていた。亀谷らは酢酸ロジウムによるジアゾ化合物の反応を研究し、生成したカルベンがヘテロ原子のα-位の炭素-水素結合に挿入することを見い出した。反応を分子内で行なうと収率よく閉環反応が進行し、アルカロイド類をはじめ各種のセスキテルペノイドの合成が達成できた。桑島らは、トリメチルシリル基がβ-位の陽イオンやα-位の陰イオンを顕著に安定化する効果があることに着目し、六員環から五員環への立体選択的な環縮小反応や従来合成できなかったフリフリルグリニャール試薬の合成に応用した。これらの反応は生理活性天燃物などの短段階合成に有効と考えられ、検討が加えられている。野依らは、α,β-不飽和ケトンに対する有機銅試薬の共役付加反応と生成したエノラートのアルキル化反応を機軸とするプロスタグランジン(PGE)骨格の合成法を開発した。PG【E_2】は現在約25段階を経て工業生産されているが本研究により単一反応容器内での一段階合成が可能となった。向山らは、二価スズエノラートをアルドール反応やマイケル付加反応に応用し、高度にジアステレオ選択的な炭素-炭素結合生成に成功した。また、新たに開発された塩化トリチル-塩化スズ系の触媒はシリルエノレートのマイケル付加反応を可能とした。山本らは、(R)-3,3-ジトリメチルシリルビナフトールを配位子とするキラルなアルミニウム反応剤の開発に成功した。光学活性ルイス酸として酸触媒型不斉合成反応に有効であり、カルボニル基のエナンチオ面選択、ケトン類の分子識別能があることが明らかにされた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Akira Suzuki: Pure and Applied Chemistry. 58. 629-638 (1986)
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[Publications] Tetsuji Kametani: Journal of Organic Chemistry. 51. 624-629 (1986)
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[Publications] Isao Kuwajima;J.Endo: Journal of the American Chemical Society. 107. 5495-5501 (1985)
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[Publications] Ryoji Noyori;M.Suzuki: Jounal of the American Chemical Society. 107. 3348-3349 (1985)
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[Publications] Teruaki Mukaiyama;N.Iwasawa: Chemistry Letters. 637-640 (1986)
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[Publications] Hisashi Yamamoto;K.Maruoka: Journal of the American Chemical Society. 107. 4573-4576 (1985)
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[Publications] Akira Suzuki: "Synthetic Organic Chemistry(Topics in Current Chemistry,Vol.130,pp.23-88)" Springer-Verlag,Heidelberg,West Germany, 66 (1986)