1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61129007
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 岡崎共研機, その他, 教授 (50033353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 正三 都立大学, 理学部, 助教授 (60011681)
平井 篤志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023470)
吉田 静夫 北海道大学, 低温研究所, 教授 (90001651)
旭 正 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023392)
東江 昭夫 広島大学, 工学部, 教授 (90029249)
|
Keywords | 色素体核 / 母性遺伝 / 雑種葉緑体 / ミトコンドリア【F_0】【F_1】ATPase / 細胞核ゲノム支配 / rDNA領域のプラスミド / トノプラストの温皮感受性 |
Research Abstract |
色素体の遺伝に関しては、調べた13種の高等植物の花粉粒内において、生殖細胞の色素体核が消失し、一方卵細胞では消失しないことを見い出した(黒岩ら) この雄配偶子内の色素体核の選択的消失が、高等植物の母性遺伝の仕組であると推定した。また緑藻の研究成果に基いて考案すると、色素体核の選択的消化の誘導は細胞核によって制御されていると考えられる。雑種色素体を作出するため、この母性遺伝技術を用いる他、平井は異種のタバコの融合細胞内では両親由来の色素体が混在できることを利用する。このために必要な色素体DNAの各部分毎をBam-1〜-4のマーカーとして分析する方法を開発した。旭はサツマイモのミトコンドリアの【F_O】【F_1】 ATPaseの【β^-】【δ^-】【δ^1】-サブユニットは、細胞核ゲノムの支配下にあり、それぞれ成熟型よりも分子量が大きい形で複数ずつ合成されることを示した。和田は赤色光下で成育させたシダ原糸体の先端から100μm内で、葉緑体が増殖していることを示した。興味深いことに光条件を変えると細胞分裂は誘導されたが、色素体の増殖を制御することはできなかった。細胞核の核小体については、東江は酵母のrDNAの一部と選択マーカー(URA3)を持つプラスミドを構築し、酵母のrDNA領域に選択的にプラスミドを挿入し、発現させることに成功した。このことは核小体のrDNA領域でも、染色体上の一般遺伝子の発現が可能であることを示している。選択マーカーを色々と変えることにより、核小体とその他の染色体上遺伝子との相関作用が解析されよう。細胞膜に関しては、吉田は黄化ヤエナリの芽生えを用いて、冷温に対して最も敏感にトノプラストの膜が反応しその影響が2次的に細胞全体に波及していく可能性を見い出した。佐々木はエンドウの各組織から全DNAとmRNAを抽出し、Hybridization法を用いて、細胞核DNAに対する色素体DNA量とrbcLmRNAの転写活性との関係を調べ、高い相関があることを示した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kuroiwa,T.;Hori,T.: Protoplasma. 133. 85-87 (1986)
-
[Publications] Sasaki,Y.: FEBS Lett. 196. 171-174 (1986)
-
[Publications] Sugihara,K.;Toh-e,A.: Agric.Biol.Chem.50. 1503-1512 (1986)
-
[Publications] Kobayashi,K.: FEBS Lett.203. 144-148 (1986)
-
[Publications] Yoshida,S.: Plant Physiology. 80. 161-166 (1986)
-
[Publications] Kadota,A.: Plant Cell Physiol.27. 989-995 (1986)