1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61132004
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
室田 誠逸 医科歯科大, 歯学部, 教授 (50072989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江橋 節郎 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 所長 (10009863)
吉田 洋二 山梨医科大学, 教授 (10008237)
高久 史磨 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
高野 達哉 帝京大学, 薬学部, 教授 (40124995)
中尾 純子 東京都養育院附属病院, 内分秘代謝科, 兼務研究員 (10150880)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 中膜平滑筋細胞 / 血管内皮細胞成長因子 / 血管新生 |
Research Abstract |
血管病変の成因を解明し、その予防・治療法を探るという究極の目標をもって組識された本特定研究は本年度以下の如き研究成果をあげた。徳永はヒトの血管内皮細胞の分離法を検討し、Dispaseを用いる独特の分離法を考案し、病理解剖時に得られる成人の血管から収率よく血管内皮細胞が得られることを示した。高野は血管内皮細胞の物質透過の機構を探るのに極めて適したin vitroモデルを考案し、コレステロールはvesicular transport,またデキストランはjunctional transportであることを証明した。吉田は中膜平滑筋細胞は何らかの刺激によってその生物学的性質を変え、内膜へ移動し、そこでは増殖促進因子に依存することなく強く増殖し内膜肥厚をもたらすことをつきとめた。山根はヒト二倍体線維芽細胞の培養上清液よりヒト血管内皮細胞の増殖因子を単離し、SDSゲル電気泳動で単一バンドが得られるまで精製を進めた。高久はヒト血小板から血管内皮細胞成長因子を分離しその性質を調べ、この因子が既存のいずれの成長因子とも異なる新規物質であることを示した。室田はアラキドン酸代謝物のHPETEに強い内皮細胞傷害作用のあることを示し、その予防法を検討するに適したin vitro傷害モデルを確立した。五島はアラキドン酸による心筋壊死は、リポキシゲナーゼ反応中に生じた脂肪酸ラジカルが、ミトコンドリア等に作用して細胞死に至らしめることを示した。中尾は培養ヒト血管内皮細胞の増殖能と貧食能が、培養環境を変化させることにより大いに変動することも酸素分圧,グルコース濃度の両面から証明した。三井は血管内皮細胞の増殖に促進効果をもつ成長因子の効果に対する糖の影響を調べ、ヘパラン硫酸が負の制御を行うことを見つけた。江橋は血管平滑筋細胞より筋収縮蛋白質およびその制御蛋白質の抽出分離を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Ohtsuki et al.: In Advances in Protein Chemistry. 38. 1-67 (1986)
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[Publications] T.Satoh et al.: Biochim.Biophys.Acta. 887. 86-93 (1986)
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[Publications] R.Hashida et al.: Cell structure and function. 11. 31-42 (1986)
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[Publications] T.Okabe et al.: Cancer research. 46. 1043-1046 (1986)
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[Publications] K.Goshima et al.: New approaches in cardiac mechanics. 13-20 (1986)
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[Publications] S.Murota et al.: Adv.PG.TX.LT.Res.17. 569-572 (1987)