1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61210012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 道夫 東大, 応用微生物研究所, 教授 (00126004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西森 克彦 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (10164609)
野村 慎太郎 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (80159087)
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Keywords | マウス・フレンド細胞 / 脱癌化 / 分化誘導 / 細胞分化 |
Research Abstract |
マウス・フレンド細胞をはじめとする多くの癌細胞はいわゆる分化誘導剤によってin vitroで増殖能を失い(脱癌化)、再分化することが知られている。我々はこの再分化に関する細胞内因子の同定を生細胞への無細胞抽出液の導入の系を確立することによって試みてきた。その結果、少なくとも2つのタンパク質性細胞内分化誘導因子が同定された。その1つ(DIF-【I】)はすでに見出されて報告されたが(Cell,663-669,1986)、DIF-【I】と相補的に働く第2の因子(DIF-【II】)の存在が確認され、その一部精製が行われた。DIF-【II】はDMSO,HMBAによって一時的に誘導されるが、6時間以後に活性は消失する。又、その誘導はde novoのタンパク質合成を必要とし、フレンド細胞の末端分化の阻害剤であるphorbol ester類によって特異的に阻害される。DIF-【II】の分子量は25万以上と大きいことがわかったが、DMSOによって脱癌化を引き起こさない変異フレンド細胞では、DMSOによる活性の誘導がみられないことから、DIF-【II】の欠損が変異細胞における脱癌化反応を妨げている原因である可能性が強い。更に、DIF-【I】とDIF-【II】の両者の活性を同時に誘導させる条件ではDIF-【II】の活性は残っていたが、DIF-【I】の活性が消滅し、新たな活性が現れることが確認された。このことは細胞内でDIF-【I】とDIF-【II】が何らかのinteractionすることを示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nomura,S.;Kamiya,T.;Oishi,M.: Experimental Cell Research. 163. 434-444 (1986)
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[Publications] Nomura,S.;Yamagoe,S.;Kamiya,T.;Oishi,M.: Cell. 44. 663-669 (1986)