1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61211006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯田 弘忠 千葉大, 工学部, 教授 (70009207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 克之 千葉大学, 工学部, 助教授 (60114253)
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Keywords | 硫黄特性 / 光学活性スルホキシド / 高立体選択的還元 / α-置換β-ケトスルホキシド / 光学活性δ-ラクトン |
Research Abstract |
有機炭素資源を有効に活用するため、高次に立体制御された有用化合物に導く高選択的プロセスの開発が重要と考え、入手容易な光学活性スルホキシドの活用について研究した。今年度は、前年度に得たホルムアルデヒドジチオアセタールS-オキシド光学活性体を利用する不斉合成に関する知見を、一般のα-置換β-ケトスルホキシドに拡張すべく、研究した。 1.α位のエピ化を伴うα-置換β-ケトスルホキシドの高選択的還元 α位の置換基が適当にかさ高いものであれば、このα-置換β-ケトスルホキシドをトリエチルアミン-メタノール系で水素化ホウ素ナトリウムにより還元すると、高立体選択的にα-置換β-ヒドロキシスルホキシドの一つのジアステレオマーが生成することを明らかにした。この高い立体選択性は鎖状化合物に限られることなく、2-(p-トリルスルフィニル)シクロアルカノンの如き環状化合物にも適用できる。 2.光学活性α-置換β-ケトスルホキシドの合成 光学活性(p-トリルスルフィニル)アセトンは、入手容易な(R)-メチルp-トリルスルホキシドをリチウムジイソプロピルアミド(LDA)と酢酸エチルを作用すると、高収率で合成できる。このものを基幹物質として、LDA2当量によるジアニオンの生成を経て、α位とβ位に種々の置換基を導入する方法を開発した。 3.光学活性化合物合成への利用 α-置換β-ケトスルホキシドの合成法として、β-ケトスルホキシドのアクリル酸メチルへのマイケル型付加を取り挙げた。この付加体を加水分解ののち、塩基性条件下還元すると高立体選択的に反応が進行する。この生成物から光学活性δ-ラクトンへ誘導する方法を確立した。その他、光学活性エポキシドの合成も行った。
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