1986 Fiscal Year Annual Research Report
リグニン物質の改質,低分子化および有用化合物への変換のための電解プロセスの開発
Project/Area Number |
61211011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野中 勉 東京工大, 国立大学(その他), 助教授 (00016528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 則雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10016412)
渕上 寿雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (10016701)
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Keywords | リグニン / 陽極酸化 / 二酸化鉛陽極 / 低分子化 |
Research Abstract |
前年度に確立された研究遂行の基本方針に基づいて今年度はリグニンの陽極低分子化における反応因子(主として電解条件)と低分子化生成物の分布との関係を解析するのに必要な電解データを集積することを最大の目的として研究を進めた。現在までのところ以下に概述するような結果が得られているが、一部は最終結論に近いものである。 陽極材料:黒鉛,二酸化鉛,白金を広範な電解条件下で比較検討した結果、反応効率,耐食性,経済性の三つの要件を最もよく満すものとして二酸化鉛を最適陽極材料として選定した。 電解液液性:強アルカリ性(NaOH)と強酸性(【H_2】【SO_4】)の電解液を比較検討した結果、原料リグニンの溶解性と反応効率では前者が圧倒的に優れていたのに対し、後者は二酸化鉛陽極の耐食性の点でやゝ優れていた程度であった。弱アルカリ性〜弱酸性については実用電解プロセス化した場合における液性制御の問題から当初より検討対象にしなかった。 電流密度:0.5〜5.0A/【dm^2】の範囲で検討したところ生成物によってはかなり影響を受けるものもあったが、総体的には微差であった。したがって、電極の有効利用という観点から当然できるだけ高い電流密度が望ましいので今後は使用可能な電流密度の上限を明らかにすることとした。 通電量:0.2〜1.0F/gの範囲で検討したところほとんどの生成物が強い影響を受け、通電量と生成物分布の関係は極めて複雑であった。したがって特定の目的生成物を効率よく得るためには通電量の最適化を綿密に行なう必要があると認められた。 リグニンの種類:広葉樹,針葉樹,草本が原料の8種のリグニン試料を用いた。生成物分布へのリグニンの種類の影響は極めて大きく、通電量とともに生成物選択性への重要因子であった。
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Research Products
(2 results)