1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61211014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加治 有恒 京大, 理学部, 教授 (10025223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 昇 京都大学, 理学部, 助教授 (40093215)
田中 和彦 京都大学, 理学部, 助手 (00025446)
谷利 陸平 京都大学, 理学部, 助教授 (60025377)
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Keywords | フランのアルキル化 / ニトロフラン / オルト置換 / 芳香族のアニオン / イースト還元 / 不斉還元 / ケトンの不斉還元 / ニトロ基の置換反応 |
Research Abstract |
1.2-ニトロ-5-置換フランのニトロ基の【置換反応^(1))】は成功した。即ち、2-ニトロ-5-メトキシカルボニルフランは2-ニトロプロパンのアニオンにより3位に置換が起き、同時に2位のニトロ基が脱離した。(収率63%)これをトリブチルスタナンで処理して側鎖のニトロ基を消去することにより3位にイソプロピル基が導入された。これにより3位のアルキル化が一般に可能となった。 2.芳香環の選択的オルト置換体は、予定したアニシジドではうまくゆかなかったが、1-ジメチルアミノエチルベンゼンをリチオ化して、ジメチルジスルフィドを与えると、オルト位のみがメチルチオ化された。(収率78%)これを再度リチオ化するとチオメチル位がアニオンになり、ノナナールに付加してアルドールを与えた。(収率85%)これで、選択的オルト置換とその誘導が可能になった。(未発表) 3.光学活性還元の研究は当初予定したフェニルスルホニルアセトフェノンで実施する前に、その前駆体であるフェニルスホニル酢酸について実施した。酸そのものの酵母還元はうまくゆくが、分離精製が困難であり、その低級エステルでは加水分解が併起した。オクチルエステル及びアニリドで初めて成功し、収率50〜60%で、夫々、eeが95%,96%に達した。アセトフェノン型の基質については現在実施中である。(未発表) 4.脂環への置換基導入の新方法については、3-メチル-3ニトロ-1-ブテンとシクロヘキサノンのトリメチルシリルエノールエーテルとを四塩化スズの存在下に反応させて、ケトンのα位に3-メチル-2-ブテニル基を導入することに成功した。(収率75%)試薬として、4-メチル-4-ニトロ-5-ヘキセンカルボン酸メチルを用いて、同様に、ケトンのα位に5-メトキシカルボニル-3-メチル-2-ペンテニル基を導入できた。【(収率70%)^(2,3))】その他、類縁の研究を二三実施し【た^(4,5,6))】
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[Publications] Noboru,Ono: Synthesis. (1987)
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[Publications] Noboru,Ono: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1285-1287 (1986)
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[Publications] Noboru,Ono: Synthesis. 693-704 (1986)
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[Publications] Rikuhei,Tanikaga: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.836-837 (1986)
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[Publications] Rikuhei,Tanikaga: Synthesis. (1987)
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[Publications] 田中和彦: 日本化学会誌. N .7, (1987)