1986 Fiscal Year Annual Research Report
構造特性を生かした新規な芳香族複素環系機能性物質の開発
Project/Area Number |
61211028
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北尾 悌次郎 阪府大, 工学部, 教授 (10081324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬恒 潤一郎 大阪府立大学, 工学部応用化学, 助手 (10117997)
中澄 博行 大阪府立大学, 工学部応用化学, 助手 (00109878)
松岡 賢 大阪府立大学, 工学部応用化学, 助教授 (30081326)
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Keywords | キノン系近赤外吸収色素 / インジゴ / チオピラン誘導体 / ポルフィリン / フェノチアジンキノン系色素 / 活性メチレンの反応 / 光電子移動反応 |
Research Abstract |
炭素資源の有効利用を考える上で、ファインケミカルスの構造持性を生かした機能性物質の開発は最も重要な研究課題の一つである。我々は60年度計画によって機能性ファインケミカルスを開発するための多くの予備的成果を蓄積した。その成果をもとに、構造特性を生かした新規な芳香族複素環系機能性物質の開発を行い、以下の研究成果をあげるとともに今後の研究の展開を計った。1.PPPMO法を用いて色素の色と構造の開係を定量化し、それを利用した機能性色素の合成デザインを行った。すなわち、新規なアントラキノン系近赤外吸収色素を合成し、半導体レーザ光記録材料用色素としての機能特性を検討した。また、フェノチアジンキノン系IR色素の構造と吸収スペクトルの関係をMO法を用いて定量化した。さらに、1,2-ベンゼンジアミン類から合成される近赤外吸収2:1型ニッケル錯体色素の吸収スペクトルとそれらの光記録特性について検討した。2.太陽光を吸収して異性化し、太陽エネルギーを効率良く変換・貯蔵するインジゴ系色素の合成に関連して、その光電子移動反応について検討した。また、ポルフィリンのカチオンラジカルとアルキンの反応によって、橋かけポルフィリンを新規に合成しその物性について検討した。3.新しい手法を用いる芳香族複素環系化合物の合成反応について検討した。3-ホルミルベンゾチオピラン類から誘導される縮合系含イオウ複素環化合物を合成し、その生理活性と吸収スペクトル特性について検討した。また、活性メチレンアニオンの銅錯体を用いる新規な複素環化合物の合成反応について検討し、ベンゾフラノン誘導体を合成した。以上の研究成果は学会誌19報(1968年)を通じて公表した。また、研究は既存設備とともに、主要設備備品である高速液体クロマトグラフを用いて行った。また、これらの成果をもとに、本研究課題をさらに発展させていく予定である。
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[Publications] Jun-ichiro Setsune: J.Am.Chem.Soc.108. 1309-1311 (1986)
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[Publications] Sung Hoon Kim: Dyes and Pigments. 7. 93-102 (1986)
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[Publications] Masaru Matsuoka: J.Soc.Dyers and Colourrists. 102. 134-136 (1986)
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[Publications] Jun-ichiro Setsune: Tetrahedron. 42. 2467-2656 (1986)
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[Publications] Hiroyuki Nakazumi: Chemistry Express. 1. 21-24 (1986)
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[Publications] Jun-ichiro Setsune: Chemistry Letters. 1986. 1393-1396 (1986)
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[Publications] 北尾悌次郎 他: "色素ハンドブック" 講談社サイエンティフィク, 567 (1986)
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[Publications] 北尾悌次郎 他: "偏光フィルムとその最新応用技術" シーエムシ, 220 (1986)