1986 Fiscal Year Annual Research Report
制御されたアルカリ金属サブモノレイヤー表面における散乱イオンの中性化過程の研究
Project/Area Number |
61212021
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
越川 孝範 阪電通大, 工学部, 教授 (60098085)
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Keywords | スパッターリング / 2次イオン / アルカリ |
Research Abstract |
W(110)面上にアルカリ金属であるKを蒸着し、オージエ電子分光法(AES)と仕事関数の変化(△φ)、2次イオン強度の変化を各蒸着量に対して得、【K^+】および【K_2^+】の特異な強度変化に対する詳細な実験データを得ることにより、この定性的な解釈を試みた。AESと△φの測定をすることにより、KのCoverageの知見を得ることができる。 【K^+】と【K_2^+】の強度のCoverage(θ)依存性において、θ〜0.08原子層、θ〜0.16原子層で、それぞれ極大値を有する。【K^+】vs.θにおいて、極大値をもつためには、最も強度変化に大きな影響を与える2次イオン化効率が、Coverage依存性において、極大値をとることが必要になる。そのためには、Kの蒸着にともなう2次イオン強度変化で、W表面の仕事関数(φ)>Kのイオン化ポテンシャル(I)の領域で、2次イオン化効率が減少を始める必要がある。つまり、Kの4SレベルにWから電子が移動し、【K^+】が中性化されることを考えると、φ(W)=5.25eV、I(K)=4.34eVなので、△φ〜1.9eV付近で2次イオン強度が減少を始める可能性がある。△φ〜1.9eVになるのは、θ〜0.12原子層の場合である。θ〜0.08より大きな値を示すため、さらに詳細な検討が必要であるが、少くとも、【K^+】vs.θにおける特異現象を定性的に説明することが可能であることがわかった。今後さらに、【K_2^+】vs.θにおける現象についても検討を要する
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Research Products
(1 results)