1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61213001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横川 敏雄 北海道大学, 理学部, 教授 (60000783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 雄行 北海道大学, 理学部, 助手 (00126038)
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Keywords | ケイ酸塩 / 融体 / マグマ / 酸化環元 / 鉛 / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究費により、電気化学測定のためのポテンシオスタットと測定のためのコンピューター、および高温発生のためのLaCr【O_3】発熱体による電気炉を購入・作成した。これらの機器を用い、ナトリウムケイ酸塩およびアルカリアルミノケイ酸塩融体中に混入させた少量の金属酸化物の酸化環元平衡を、電位走査法を用いて測定した。 金属酸化物として、実験および理論的に塩基度の尺度として適当であることが確められたPbOを用い、種々の【Na_2】O/Si【O_2】比の融体について"Pb°の"析出電位を求め、【Na_2】O-Si【O_2】系について、当研究室において以前に求められた【Na_2】Oの活量に基いた塩基度との関連を調べた。これにより、PbOは典型的な塩基性酸化物であることが示された。次に【Al_2】【O_3】を加えた3成分系融体について同様の測定を行った。これにより、【Al_2】【O_3】成分の増加に伴って、【Pb^(2+)】/PbOの酸化環元電位が高くなることが顕著に示された。このことは、【Pb^+】の活量が【Al_2】【O_3】の量とともに増大することを示しているが、【Al_2】【O_3】が塩基性酸化物であると考えるよりはむしろ、Pbの配位環境の変化によるものと考えるべきであろう。構造化学的な詳しい考察が必要である。 本研究のもう一つの目的として、高温下での電気化学測定に伴う諸問題の解決があった。電極系,試料調整,測定系,高温系などに改良が試みられ、いくつかの顕著な改善があった。これらのノウハウの蓄積をふまえて、より広範囲のケイ酸塩融体について、より高温での測定の可能性が、本研究により示されたと考える。
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[Publications] K.Kawamura: Electrochimica Acta.
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[Publications] 横川敏雄: 「地球内部に於ける物質移動と変化」研究成果報告書. 61年度. 35-38 (1987)
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[Publications] T.Yokokawa: Pure and Appl.Chem.58. 1547-1552 (1986)
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[Publications] N.Uchida: J.Non-crystalline Solids. 88. 1-10 (1986)