1986 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空電子顕微鏡による非平衡状態からの混晶成長と構造の解析
Project/Area Number |
61214005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高柳 邦夫 東京工大, 理学部, 助教授 (80016162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷城 康眞 東京工業大学, 理学部, 助手 (40143648)
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Keywords | 混晶 / シリコン(001) / 超高真空電子顕微鏡法 / 表面再配列構造 / シリコン表面での混晶成長 |
Research Abstract |
シリコン(001)表面上での混晶成長過程を超高真空電子顕微鏡を用いた"その場"観察法で調べ、非平衡状態からの成長といわれるMBE混晶成長機構を研究することを目的とした。 シリコン(001)表面の原子層高さステップが成長機構に及ぼす影響を見るため、ビシナル表面の傾きとステップ高さ,方向,テラスの広さの関連について透過法と反射法で観察した。〔110〕方向に2〜5°傾いた表面では、2原子層高さのステップが、〔110〕方向に平行に形成され、(001)表面の再配列構造の基本構造であるダイマーがステップに平行に形成されていることが判った。表面の傾き方向が〔110〕から〔100〕方向に移っていくと、ステップの平均的向きも〔010〕方向に移っていく。このとき、ステップの向きが、〔010〕方向より±20°程傾いたところでは、2原子層高さのステップは単原子層高さの二つのステップに分かれていることが示唆された。一方、傾きが、0.1〜0.01°の表面について反射顕微鏡法で観ると、単原子層高さのステップが形成されていることが判った。このとき、隣り合うステップでのダイマーの向きは、互に90°異なるため、ダイマーとステップの平均方向のなす角は交互に変化し、隣り合うテラスの安定性に差異が生じる。このことと対応して、テラス巾が交互に変化していることが見出され、テラス巾の相対比はステップの平均的方向に依存し、ステップが〔110〕方向に近づくと、一方のテラス巾が狭まる(2原子層高さのステップが形成されやすい傾向)ことが見出された。 1100℃前後の温度から冷却する過程の動的観察から、徐冷した試料では上記の傾向が見出され、急冷した試料ではステップ間隔,形状などに差異が認められた。以上、混晶成長機構に重要な表面トポグラフの原子レベルの評価を電顕法で初めて行うことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中山知信,谷城康眞,高柳邦夫: Japan Journal Applied Physics. (1987)
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[Publications] 中山知信,谷城康眞,高柳邦夫: Japan Journal Applied Physics. (1987)