1986 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着における新しいカルモデュリン結合蛋白質(デスモカルミン)の役割
Project/Area Number |
61215009
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
月田 承一郎 臨床医総研, その他, その他 (50155347)
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Keywords | デスモソーム / 細胞骨格 / デスモカルミン / カルモデュリン / 裏打ち構造 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
代表的な細胞接着装置であるデスモソームの形成にはカルモデュリンが重要な役割を果たしていることが知られている。我々は、この分子機構を知る第一歩として、デスモソーム裏打ち構造に含まれるカルモデュリン結合蛋白質を探し、分子量24万の蛋白質を分離精製した。この蛋白質は、分子形態やカルモデュリン結合能がスペクトリンによく似ているが、10nmフィラメントに結合することなどからスペクトリンとは異なる新しいカルモデュリン結合蛋白質であると考えられ、デスモカルミンと命名した。本年度は、このデスモカルミンと細胞膜の結合様式を調べるために、デスモソームの裏打ちを欠いた膜のみを集める方法の開発を試み、この膜と裏打ち蛋白質との結合性を検討した。さらに、もう一つの代表的細胞接着装置であるAdherens Janctionの裏打ち蛋白質の分析も同時に行なった。 1.デソモソーム細胞膜の単離と結合裏打ち蛋白質。 単離したデスモソームをグアニジンで処理することにより極めて均一な膜分画を得ることに成功した。この膜分画は、細胞内外に大きな粒状の突起を有し、外側では二枚の膜が結合してJunctionを形成していた。形の上からも電気泳動上も全く蛋白質からなる裏打ち構造は除かれていることが明らかであった。この膜に裏打ち蛋白質の粗分画を再結合させると、分子量36K付近の蛋白質が特異的に、しかもカルシウムイオン依存的に結合した。この蛋白質の性質および分布について現在検討中である。 2.Adherens Junctionの裏打ち蛋白質について。 デスモソームと同じように、Adherens Junctionを単離できれば、その裏打ち蛋白質の研究が進むと考え、その単離法を検討した。その結果、比較的純粋な分画を得ることに成功し、現在、その裏打ち蛋白質について検討中である。
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[Publications] Shoichiro Tsukita: Biomedical Research. 7. 53-63 (1986)
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[Publications] Takaaki Kobayashi: Journal of Cell Biology. 102. 1699-1709 (1986)
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[Publications] Shoichiro Tsukita: Journal of Cell Biology. 102. 1710-1725 (1986)
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[Publications] Yasushi Okamura: Brain Research. 383. 146-158 (1986)
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[Publications] Shoichiro Tsukita: Biomedial Research. 7. 1-6 (1986)
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[Publications] 月田早智子: 生体の科学. 37. 460-468 (1986)
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[Publications] 月田承一郎: "電子顕微鏡生物試料作製法" 日本電子顕微鏡学会関東支部, 318 (1986)
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[Publications] 月田承一郎: "血小板1986-血小板の細胞骨格と膜糖蛋白質-" 蔵本淳 他, 184 (1986)