1986 Fiscal Year Annual Research Report
血小板膜中でホスホリパーゼにより特に分解を受け易い領域(ドメイン)の性質の研究
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61215017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 京大, 医学部, 講師 (80161389)
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Keywords | ホスホリパーゼ / プロスタグランジン / トロンボキサン / 蛋白質分解酵素 蛋白質架橋酵素 / カルシウムイオン / 血小板 |
Research Abstract |
プロスタグランジン・トロンボキサンの生合成の律速段階をなすホスホリパーゼ【A_2】をはじめとするリン脂質分解酵素の活性化においては、【Ca^(2+)】イオンの動き、濃度変化のみならず、基質であるリン脂質の膜中での存在様式の変化が種々の刺激因子によってひきおこされる事が重要な意義をもつというのが我々の作業仮説である。この仮説は、ホスホリパーゼ【A_2】の活性が、たとえ一定の【Ca^(2+)】濃度においても、これら基質リン脂質の膜中での存在様式によって大きく変化するという成績に基づいている。刺激に伴なう細胞膜リン脂質の存在状態の変化は、刺激によって細胞膜蛋白質の変化がひきおこされこれにより膜リン脂質のホスホリパーゼ【A_2】に対する感受性が変化する事によると考えられる。本年度は、こうした作業仮説に基づいて、基質の存在状態の変化によるホスホリパーゼ【A_2】の活性化について追加実験を行うかたわら、細胞刺激に伴なって膜蛋白質を変化させる可能性のある酵素群、すなわち【Ca^(2+)】依存性蛋白質分解酵素および【Ca^(2+)】依存性蛋白架橋酵素を精製し、これらを特異的に認織する抗体を作成し、またこれら各酵素によって修飾される膜蛋白質を検索した。これら【Ca^(2+)】依存性の蛋白質修飾酵素はさらに細かい亜型に分けられる。すなわち蛋白質分解酵素は低【Ca^(2+)】要求型と高【Ca^(2+)】要求型にまた架橋酵素は組織型と血漿型に分類され、さらにその内因性阻害蛋白質もいくつかの分子種に分けられる。血小板をはじめ、内分泌組織など各種組織をこれらを特異的に認織する抗体で分析した結果、細胞によってこれら蛋白質修飾酵素の配合と分布に極めて特徴があることが判明した。従って、細胞によって、【Ca^(2+)】依存性の膜蛋白質の変化はそれぞれ異っており、それによってひきおこされるホスホリパーゼ群の活性化の機序も異なるものと考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kannagi,R.;Yamagata,Y.;Ando,Y.;Takano,E.;Kitahara,A.;Murachi,T.: Haemostaseologie.
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[Publications] 神奈木玲児,村地孝: 蛋白質、核酸、酵素. 32(2). 116-129 (1987)
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[Publications] Takano,E.;Kitahara,A.;Sasaki,T.;Kannagi,R.;Murachi,T.: Biochem.J.235. 97-102 (1986)
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[Publications] Kitahara,A.;Takano,E.;Ohtsuki,H.;Kirihata,Y.;Yamagata,Y.;Kannagi,R.;Murachi,T.: J.Clin.Endocrinol.Metab.63(2). 343-348 (1986)
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[Publications] Andou,Y.;Imamura,S.;Yamagata,Y.;Kikuchi,T.;Murachi,T.;Kannagi,R.: J.Biochem.
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[Publications] Andou,Y.;Imamura,S;Yamagata,Y.;Kitahara,A.;Saji,H.;Murachi,T.;Kannagi,R.: Biochem.Biophys.Res.Commun.
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[Publications] 神奈木玲児,山肩葉子,村地孝.著,京都プロスタグランジン会議記録日本語版刊行委員会 編: "京都プロスタグランジン会議記録(血小板膜中のホスホリパーゼ感受性ドメイン(領域)の性質について)" 現代医療社, 3 (1986)
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[Publications] 神奈木玲児 著,山本尚三,鹿取信 編集: "「酵素実験法(1)基質調製法-リン脂質、(2)酵素調整法と活性測定法-血小板のホスホリパーゼ【A_2】」(分担執筆)現代化学臨時増刊、"プロスタグランジン研究法"" 東京化学同人,