1986 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体のイノシトール三リン酸結合部位の固定と再構成
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61215023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九大, 歯学部, 講師 (60136471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 敏生 九州大学, 歯学部, 教授 (00037540)
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Keywords | イノシトール三リン酸 / 光親和性標識 / 小胞体 / 【Ca^(2+)】遊離 |
Research Abstract |
細胞小胞体膜上に存在するイノシトール1,4,5-三リン酸(I【P_3】)の受容体を同定するため、I【P_3】の光感受性誘導体を合成し、サポニン処理マクロファージ(S-MФ)小胞体を用いて実行した。I【P_3】誘導体の調製法は基本的には既報のとおりカルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて行なったが、光感受性基としてはアイソトープを導入するため既報のP-アジド安息香酸(pAB)に〔【^3H】〕β-アラニンをカップルしたもの(〔【^3H】〕アジド安息香酸β-アラニン、〔【^3H】〕ABβA)を用いた。このI【P_3】-〔【^3H】〕ABβAは25〜35cpm/pmolの放射比活性を有していた。S-MФとともに光照射した後、SDS電気泳動によりタンパクを分離したところ、80K,50K,30Kの三種類の分子量の付近がラベルされた。しかし、これはカットしたゲルをカウントして得られたもので、オートラジオグラフィーにより決定されたものではない。そこで、次に光感受性基としてアジドサリチル酸β-アラニン(ASβA)を用いた。ASβAはクロラミンTを用いて【^(125)I】を酸化的に導入できる。この様にして調製したI【P_3】-〔【^(125)I】〕ASβAは100〜200cpm/pmolの放射比活性を有していた。S-MФを光照射によりラベルして、SDS電気泳動およびオートラジオグラフィーを行なったところ、分子量80〜85K,50K,27Kの三種類のタンパク質が相対的に強くラベルされていた。これらのラベルは過剰のI【P_3】の共存下で弱くなっていた(I【P_2】は無効)。I【P_3】ホスファターゼを強く阻害する2,3-ジホスホグリセレイトの共存下でも同じく三種類のタンパク質がラベルされた。これらの結果から三種類のタンパク質がI【P_3】受容体であると考えられた。さらに確認するため、細胞成分分画を行ない、これらのラベルが小胞体分画に局在しているのか、また他の細胞でも同様にラベルされるのか等について、さらに検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toshihiko Hashimoto: Journal of Physiology. 370. 605-618 (1986)
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[Publications] Masataka Kukita: Biochimica et Biophysica Acta. 885. 121-128 (1986)
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[Publications] Toshiyuki Sasaguri: Biochemical Journal. 239. 567-574 (1986)
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[Publications] Takafumi Hamachi: Biochimica et Biophysica Acta. 889. 136-148 (1986)
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[Publications] Takafumi Hamachi: Biochemical Journal. 242. 253-260 (1987)