1986 Fiscal Year Annual Research Report
カルモジュリンとカルモジュリン結合蛋白質の相互作用
Project/Area Number |
61215031
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山本 啓一 順天堂大, 医学部, 講師 (70053361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 隆光 順天堂大学, 医学部生化学講座, 教授 (80052918)
須藤 和夫 東京大学, 理学部生化学科, 助手 (20111453)
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Keywords | カルモジュリン / カルモジュリン結合蛋白 / 一次構造上の相互作用部位 |
Research Abstract |
カルモジュリンはカルシウムイオンを結合すると構造変化をおこし種々の酵素と相互作用してその活性を調節する蛋白質である。その相互作用部位がカルモジュリンの一次構造上のどこにあるのかを水溶性カルボジイミドによる化学架橋によって調べた。カルモジュリンは小麦胚芽のものを用いN末端を蛍光標識しておく。カルモジュリンと相互作用する蛋白質としてミオシン軽鎖キナーゼとトロポニンIを用いた。カルモジュリンとミオシン軽鎖キナーゼ又はトロポニンIをカルシウムイオン存在下で混合し、水溶性カルボジイミドを加えて架橋した。反応させた溶液をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけるとミオシン軽鎖キナーゼやトロポニンIの少し上にカルモジュリンの蛍光を含んだ新しいバンドが見られ、それが架橋産物であることを示している。この部分を切りとり電気泳動的に溶出して架橋産物を得た。架橋産物をもう一度電気泳動にかけ純化した後臭化シアンで部分分解すると様々な長さのカルモジュリン断片が得られる。このうち蛍光を発するもの、すなわちN末端を含むものに注目する。架橋されていないカルモジュリンではN末端から37,52,73,77,110,125,146,147番目のメチオニン残基のところで切断された断片があらわれるが、架橋産物からは77までは同じ位置にあらわれるが110から上のものは全然違う位置にあらわれる。これは77から110までのあいだに架橋された蛋白が結合していて分子量が変ったせいであると考えられる。したがってカルモジュリンとミオシン軽鎖キナーゼ又はトロポニンIが相互作用する部位のうち少なくとも静電引力による部位は77から110のあいだにあると言える。この部位はカルモジュリンのカルシウム結合部位【I】【II】と【III】【IV】をつなぐαラセン状部分にあたる。
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