1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61216010
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
広瀬 進 遺伝研, その他, 助教授 (90022730)
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Keywords | DNAのコンフォメーション / 転写 / DNAのスーパーコイル化 / 真核生物遺伝子 / DNAトポイソメラーゼ |
Research Abstract |
1.DNAジャイレース様活性の精製---われわれがカイコ絹糸腺抽出液中に検出したDNAジャイレース様活性を精製する目的で、絹糸腺抽出液をホスホセルロースカラムにかけ、素通り画分(A)、0.35MKCl溶出画分(B)、0.6MKCl溶出画分(C)、1MKCl溶出画分(D)に分画した。DNAジャイレース様活性はA画分にC画分を加えたときのみ再構成された。この再構成において、C画分はカイコ絹糸腺から精製したDNAトポイソメラーゼ【II】で置き換えることができた。以上の結果から、A画分にはDNAトポイソメラーゼ【II】と共役してDNAをスーパーコイル化する因子が存在すると考えられる。 2.DNAの高次構造と転写---DNAジャイレース様活性をもつことが判明したホスホセルロースA画分とC画分を絹糸腺抽出液に加えて転写条件下に保温すると、閉環状DNAトポアイソマーの分布が、抽出液のみと保温した場合よりさらにスーパーコイル側に寄ることを見出した。こうして、いろいろな程度にスーパーコイル化した状態で転写させることが可能となったので、数種の遺伝子についてDNAの高次構造が転写活性に及ぼす効果について調べた。その結果、フィブロイン遺伝子,アデノウィルスE4遺伝子,アデノウィルス後期主要プロモーターでは部分的にスーパーコイル化した状態で活性化されるのに対し、セリシン遺伝子ではもっと強くスーパーコイル化したときに活性化されることが判明した。一方、70KD熱ショックタンパク遺伝子ではリラックスした状態で充分高い転写活性を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masaaki Tsuda: Molecular and Cellular Biology. 6. 3928-3933 (1986)
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[Publications] Yoshiaki Suzuki: Proceedings of the National Academy of Sciences,USA. 83. 9522-9526 (1986)
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[Publications] Susumu Hirose: Molecular and Cellular Biology. 7. (1987)
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[Publications] 広瀬進 著,日本生化学会 編: "続生化学実験講座1(遺伝子研究法【II】)" 東京化学同人, 19 (1986)
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[Publications] 広瀬進: "実験医学 第4巻" 羊土社, 6 (1986)