1986 Fiscal Year Annual Research Report
ニンジン,イネ培養細胞の細胞融合によるアルミニウム耐性形質の導入
Project/Area Number |
61217003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小島 邦彦 東北大, 農学部, 助教授 (70005669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 幸次 東北大学, 農学部, 教授 (70005578)
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Keywords | アルミニウム耐性 / クエン酸 / ストレス選抜 / ニンジン培養細胞 |
Research Abstract |
ニンジン細胞を供試してAlストレス下に培養し、Alイオン耐性並びに低リン耐性の度合を明らかにすると共に、その再分化によりAl耐性植物を作出することを目的とした。〔方法〕ストレス選抜は次の2つの方法によった。第1は従来の方法で、リン酸濃度は基本培地の2mMをそのままにして、【AlCl_3】を4mMの濃度で加え、pH4.0に調製してオートクレーブした。この培養液に細胞サスペンジョン5mlを添加し、1〜2週間毎に継代培養を続けたもの(この選抜株をC1-Tと命名)。第2はリン酸濃度を0.1mMに下げ、【AlCl_3】を1mMpHを4.0とした固形培地上にプレートし、選抜を2回繰り返したもの(この選抜株をC5-Tと命名)。〔結果〕(1)選抜培養細胞の【Al^(3+)】耐性;各培養サスペンジョンを遠心して、培養液を除いた細胞0.75gを7日間培養して生育量を調べた。選抜株C5-Tは【Al^(3+)】に対して明らかに耐性を示した。他方C1-Tはこの検定条件下では耐性は認められなかったが、イノキュラムとして条件ずけ培地を持ちこんだ細胞サスペンジョンを用いた場合にはAl耐性を示した。(2)選抜細胞の難溶性リン酸の有効化;上記選抜株を、リン酸の給源として2mMAl【PO_4】を含む培地で培養してその生育を比較した。C5Tは、生育が著しく劣ったが、C1-Tは対照の正リン酸区に比して全く同等の生育を示し、リン酸Alをリン酸給源として充分利用しうることがわかった。(3)上記選抜株によって培養液中に放出されたエン酸を比色法によって定量したところ、C1-Tの培地には他の細胞株の培地に比して多量に存在した。したがってC1-TのAl【PO_4】における良好な生育は、その放出クエン酸のキレート能によるリン酸Alの可溶化の結果と考えられた。(4)C1-T株は1977年に脱分化、1978年にAlストレス下に継代培養してきた培養細胞である。これをプロトプラストとして再分化を試みたところ成功し、現在8個体の復源植物がえられ栽培中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Ojima;H.Abe;K.Ohira: Plant d cell Physiol. 25. 855-858 (1984)
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[Publications] K.Ojima;K.Ohira: Plant d cell Physiol.26. 281-286 (1985)
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[Publications] 小島邦彦: 組織培養. 12. 96-100 (1986)
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[Publications] 小島邦彦: 農業技術. 41. 394-399 (1986)
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[Publications] 大川原良次,小島邦彦,吉田昌一: 土肥誌. 57. 563-570 (1986)
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[Publications] 小島邦彦,内宮博 他編: "植物遺伝子工学マニュアル" 講談社サイエンティフィク, 6 (1984)
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[Publications] 小島邦彦,山内文男 他編: "バイオテクロノジー実験マニュアル" 三共出版, 17 (1987)