1986 Fiscal Year Annual Research Report
膜受容体-シクラーゼ系連関の分子レベルでの機構とその調節因子
Project/Area Number |
61218012
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
麻川 武雄 佐賀医大, 医学部, 教授 (50028362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 正子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00154807)
榎本 恵一 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20128127)
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Keywords | アデニレートシクラーゼ / Gi / 抑制機構 / グアニレートシクラーゼ / シナプス膜 / 【Ca^(2+)】 / 不飽和脂肪酸 / 調節因子 |
Research Abstract |
1.アデニレートシクラーゼ系:私共は抑制性GTP結合調節タンパク(Ni)のα及びβγサブユニットを単離し、これをアデニレートシクラーゼ触媒ユニットと再構成することにより、βγサブユニットがアデニレートシクラーゼ系の抑制性制御における抑制の本体であることを明らかにした。またβγサブユニットは活性化型の触媒ユニット-Ns複合体に結合するNsの不活性化あるいはNsとの結合によるNsの除去により抑制を引き起こすのではなく、βγサブユニットと触媒ユニットとの直接的な相互作用が関与していることを示唆した。さらにこれを確かめるため、あらかじめプロテアーゼで前処理した触媒ユニットに対するβγサブユニットの作用を調べた。その結果、触媒ユニット分子上にβγサブユニットと相互作用するプロテアーゼ感受性部位が存在することを示唆した。また触媒ユニット分子上の触媒部位とβγサブユニット作用部位は構造的にかなり独立して存在することが推測された。 2.グアニレートシクラーゼ系:私共は、【Ca^(2+)】,Fatty acid-activated guanylate cyclase(略してCF-G.Cyclase)を脳シナプス膜に見い出し、本酵素のカラムクロマトにおいて酵素活性とは別の分画にCF-G.Cyclase活性を調節していると考えられる高分子因子を見い出し、CF-G.Cyclase Modulator(略してGCM)と称した。このGCMを種々のカラムクロマトによりある程度高度に精製した。分子量はゲルクロマトにより37K付近である。このGCMは不飽和脂肪酸過剰域において著明な活性化増強作用を示した。さらに機能的意義を推測する観点からGCMの細胞内分布、並びに臓器分布を定量的に検討した。結果、GCMとCF-G.Cyclaseの両者の分布は定量的には合致していない、またGCMの全く含まぬ分画及び組織がみられた。さらにGCMは本酵素の活性化に必要なGTPの作用機構と直接的な関係はみられなかった。
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[Publications] K.Enomoto: FEBS Lett.202. 63-68 (1986)
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[Publications] 榎本恵一: 神経化学. 25. 154-156 (1986)
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[Publications] K.Enomoto: Jpn.J.Pharmacol.40sup. 132 (1986)
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[Publications] M.Takano: Jpn.J.Pharmacol.40sup. 267 (1986)
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[Publications] 榎本恵一: 生化学. 58. 979 (1986)
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[Publications] 麻川武雄: 生化学. 58. 1072 (1986)