1986 Fiscal Year Annual Research Report
実験的ポルフィリン症の発症機構とヘム生合成系酵素の組織差に関する研究
Project/Area Number |
61219003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 典夫 東北大, 医学部, 教授 (00004606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堺 正史 東北大学, 医学部, 助手 (20004624)
宗像 浩 東北大学, 医学部, 助教授 (90111294)
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Keywords | δ-アミノレブリン酸合成酵素 / アイソザイム / 酵素精製 / cDNA |
Research Abstract |
赤血球型および肝型δ-アミノレブリン酸(ALA)合成酵素が別々の遺伝子の産物であることをニワトリ酵素について確認し、さらに哺乳動物本酵素へ研究を進めるため、ラット赤血球型ALA合成酵素の精製を行なった。 1.ニワトリ網状赤血球および肝ALA合成酵素CDNAのクローン化と一次構造の比較およびそれらをプローブとしたNorthern blot analysis:網状赤血球および肝のλgt11cDNAライブラリーより抗ニワトリ肝ALA合成酵素IgGを用いて赤血球型および肝型cDNAをクローン化し、それらをプローブとしてpoly【(A)^+】RNAのNorthern blot analysisを行った。その結果、赤芽球poly【(A)^+】RNA画分からは赤血球型酵素cDNAプローブによって、肝poly【(A)^+】RNA画分からは肝型酵素cDNAプローブによって、それぞれ大きさの異るmRNAが特異的に検出された。また、薬物でALA合成酵素を誘導すると、肝では肝酵素cDNAによって検出されるmRNAが著しく増加していた。さらに、両型酵素cDNAの塩基配列およびそれから導かれるアミノ酸配列のホモロジーは約50%に過ぎなかった。これらの結果は両酵素が別々の遺伝子の産物であることを示すものである。 2.赤血球型ALA合成酵素の精製とその性質の肝酵素との比較:ラット網状赤血球よりALA合成酵素の精製を試み、限定分解物ながら活性を保持した精製標品を得ることができた。すなわち、溶血液から硫安分画、パパイン消化、ゲル濾過、ヒドロキシアパタイトおよびQセファロースカラムクロマトグラフィー、次いでCo-Aアガロースアフィニティークロマトグラフィーを行い精製した。最終標品はSDS-ゲル電気泳動上ほとんど均一で、分子量は49000であった。その性質を肝型酵素と比べると、分子量がやや小さく(肝酵素:51000)、スクシニルCoAによる基質阻害が見られないなどの差がみられた。現在精製標品に対する抗体調製を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山本雅之: 生化学. 58. 956 (1986)
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[Publications] 宗像浩: Arch.Biochem.Biophys.(1987)
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[Publications] 山本雅之: Arch.Biochem.Biophys.245. 76-83 (1986)