1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61219009
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
武富 保 信大, 医学部, 教授 (30020704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 厚 信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 講師 (70126697)
上村 敬一 信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 助教授 (80012756)
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Keywords | スフィンゴリピドーシス / Krabbe病 / Gaucher病 / Niemann-Pick病 / リゾスフィンゴリピド / ガラクトサイコシン / グルコサイコシン / スフィンゴシルホスフォリルコリン |
Research Abstract |
スフィンゴリピドーシスの病因病態解析の一つとして、リゾスフィンゴリピドの蓄積とその細胞毒性の観点から研究が試みられた。人工的にスフィンゴ脂質より作製したリゾスフィンゴリピド、例えば、ガラクトサイコシン,グルコサイコシン,スフィンゴシルホスフォリルコリンを50〜20μg/グルコサイコシン,スフィンゴシルホスフォリルコリンを50〜20μg/mlの濃度で、3×【10^6】ケのglioma-cellU-251の培養細胞に添加すると、細胞崩壊は短時間で見られるが、低濃度では培養細胞の増殖は低下するが、ガラクトサイコシンとグルコサイコシンは細胞のβ-ガラクトシダーゼやβ-グルコシダーゼによって糖とスフィンゴシン塩基に分解され、糖はそのまゝ細胞により作用され、また、スフィンゴシン塩基はリン酸化液,リガーゼによってリン酸エタノールアミンと脂肪アルデヒドに分解され、リン脂質合成に利用されることが分かった。一方、スフィンゴシルホスフォリルコリンはスフィンゴシン塩基とホスフォリルコリンに分解されることなく、そのまゝアシル化されてスフィンゴミエリンとなった。使用したスフィンゴシルホスフォリルコリンはerythro型とthreo型の異性体からなったので、生成されたスフィンゴミエリンも両型の異性体からなり、erythro型は細胞膜に利用され、threo型は培地に放出された。なお、スフィンゴミエリンはスフィンゴミエリナーゼによってセラミドとリン酸コリンに分解され再利用された。以上の結果より、β-ガラクトシダーゼ欠損Krabbe病やβ-グルコシダーゼ欠損Gaucher病では、ガラクトサイコシンやグルコサイコシンの増量による病因病態の可能性が示唆されたが、スフィンゴミエリナーゼ欠損Niemann-Pick病の病因はスフィンゴシルホスフォリルコリンの増量によるものではないことが明らかにされた。
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[Publications] A.Hara: J.Biochem.100. 415-423 (1986)
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[Publications] T.Kasama: Japan J.Exp.Med.56. 1-11 (1986)
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[Publications] A.Hara: Japan J.Exp.Med.56. 277-284 (1986)
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[Publications] K.Takada: Japan J.Exp.Med.57. 53-58 (1987)
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[Publications] T.Taketomi: Japan J.Exp.Med.57. 59-70 (1987)
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[Publications] 武富保 著,陸産動物 篇: "動物成分利用集成 糖脂質" R&Dプランニング社, 25 (1987)