1986 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高脂血症の成因,特に脂質水解酵素と関連因子の変異に関する分子遺伝学的研究
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61219028
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山本 章 循病セ, その他, 研究員 (00028408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 信治 国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (10142192)
山村 卓 国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (20132938)
高木 敦子 国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室員 (90179416)
池田 康行 国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室員 (90176107)
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Keywords | リポ蛋白リパーゼ / I型高リポ蛋白血症 / カイロマイクロン / 血漿リポ蛋白 / トリグリセライド / ヘパリン静注後血漿リパーゼ活性 / マクロファージ |
Research Abstract |
本態性高脂血症の成因を分子生物学および遺伝子のレベルから解明することを目標として血漿リポ蛋白代謝に関連する諸因子の異常を追求している。今回は特にトリグリセライドrichリポ蛋白(カイロマイクロンとVLDL)の代謝の第一段階を触媒する脂質水解酵素リポ蛋白リパーゼの分離、精製、酵素学的諸性質の同定を行い、本酵素に対する特異的抗体を作製し、この抗体を利用することによって本酵素と分泌する細胞内での合成過程をしらべ、I型高リポ蛋白血症における酵素活性欠損の原因を明らかにすることを試みた。リポ蛋白リパーゼおよびその類縁酵素である肝臓のトリグリセライドリパーゼは心臓手術の際の循環血の余分(ヘパリン注入後血漿)より、ヘパリンセファロース,ヒドロキシルアパタイト、およびゲル濾過によってSDS電気泳動で単一となる迄分離、精製した。これを抗原としてマウスに免疫し特異抗体を作成した。リポ蛋白リパーゼを分泌する細胞種として今回はヒト末梢血からモノサイトを分離、ヒト血漿(10%)加RPMI1640培地で約8日間培養し、マイクロファージとして使用した。【^(35)S】メチオニンにて一定時間細胞をパルス標識後、培養液と細胞を分離し、蛋白を可溶化した後、特異的抗体を加えて4℃で12時間インキュベートし、複合体を得て洗浄後、可溶化してSDS-PAGEで分析した。 リポ蛋白リパーゼの分子量は61Kd、肝のトリグリセライドリパーゼは65Kdであった。【^(35)S】メチオニン標識による追求の結果、リポ蛋白リパーゼは細胞の小胞体で55Kdの蛋白として合成された後、プロセシングを受けて活性のある60Kdの蛋白になり、さらに61Kdとなって分泌される。I型高リポ蛋白血症の一症例においてはこの酵素はマクロファージ内では全く合成されておらず、また他の一例では一応の合成が行われているのに活性が欠除していることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hayashi,R.;Tajima,S.;Yamamoto,A.: J.Biochem.(Tokyo). 100. 319-331 (1986)
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[Publications] Nishikawa,O.;Yokoyama,S.;Kurasawa,T.;Yamamoto,A.: J.Biochem.(Tokyo). 99. 295-301 (1986)
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[Publications] Jackson,R.L.;Tajima,S.;Yamamura,T.;Yokoyama,S.;Yamamoto,A.: Biochim.Biophys.Acta. 875. 211-219 (1986)
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[Publications] Hatanaka,K.;Tanishita,H.;Ishibashi-Ueda,H.;Yamamoto,A.: Biochim.Biophys.Acta. 878. 440-445 (1986)
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[Publications] Ikeda,Y.;Takagi,A;Yamamoto,A.: Abstruct"The 4th Int,Cong.Inborn Errors of Metabolism"Sendai,Japan(June,1987). (1987)
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[Publications] 池田康行,高木敦子,山本章,大軽靖彦,黒岡繁: 生化学(第59回日本生化学会抄録). 58. 763 (1986)