1986 Fiscal Year Annual Research Report
構文・意味解析融合方式における非単調依存に関する研究
Project/Area Number |
61220005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 進一 阪大, 基礎工学部, 助教授 (30029540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北橋 忠宏 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029453)
唐沢 博 京都教育大学, 教育学部, 講師 (90177618)
小川 均 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40116009)
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Keywords | 自然言語理解 / オブジェクト指向 / 談話理解 / 同音異義語 / 構文・意味解析融合方式 / 知識処理 / 評価値 / 心的モデル |
Research Abstract |
1.自然言語文を解析するためには、統語論や意味論,語用論における様々な知識を利用する必要がある。これらの知識を単独で用いても文の解釈に多くの可能性が生じるので、うまく統合して使用する必要がある。また、解釈途中においても多くの解釈の可能性が生じるが、これも"続みの優先"により、その時点で最も自然と考えられる解釈を選択する必要がある。本研究においてはこのような処理をオブジェクト指向の考えを用いた解析方法により実現した。この方法においては、種々の知識はオブジェクトのクラスにより与えられ、読みの優先を用いた解釈の選択・変更は、すべての可能な解釈の評価値を比較し、メッセージ転送を制御することにより実現される。 2.また、省略文や曖昧性の大きい文の理解には文脈解析が必須であり、文脈解析能力を向上させることは質の高い言語理解にとって重要であるが、本研究においては、そのために必要なモデルを構成するときに考慮すべきいくつかの要素について検討を行なった。すなわち、対話行動における談話理解,およびテキスト理解における談話理解においては意図,感情変化,意外性,多義性,信念,習慣,観点,およびシミュレーションの各問題を取り扱う必要があり、そのような心的モデルの検討を行なった。 3.さらに、動詞と助動詞の整合性を利用すると同音異義語の選択・決定が可能になることを示した。実際に、科学技術文献抄録中で補助用言と共に用いられていた約250語を調べたところ、その約40%に同音異義語が存在した。従って、句のレベルで多義性を解消しておくことが有効であることがわかった。
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[Publications] 小川均: 電子通信学会自然言語とコミュニケーション研究会. NLC86-15. 17-24 (1986)
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[Publications] 唐沢博: 電子通信学会自然言語とコミュニケーション研究会. NLC86-12. 39-45 (1986)
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[Publications] 平井誠: 情報処理学会論文誌. 27. 892-899 (1986)
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[Publications] 平井誠: 情報処理学会論文誌. 28. (1987)
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[Publications] 平井誠: 人工知能学会誌.
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[Publications] 田村進一: システムと制御. 30No6別冊. 40-44 (1986)