1986 Fiscal Year Annual Research Report
人間の情報処理過程に立脚した自然言語理解と自動プログラミングへの応用
Project/Area Number |
61220007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 順一 阪大, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 邦昭 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60160206)
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Keywords | 自動プログラム合成 / 要求仕様 / 会話モデル / 知識工学 / ゴール・プラン |
Research Abstract |
本研究は、自然言語による仕様からのプログラム合成プロセスの解明を通じて、人間の情報処理過程に立脚した自然言語処理システムの構築を目指したものである。本システムの問題分野として磁気テープ化された辞書(三省堂の新コンサイス英話辞典)の構造化、さらに構造化された辞書のデータベース化を設定した。目標言語はできるだけ高水準で仕様に近く、モジュラー性の高いものという観点からPrologを採用した。自動プログラム合成においては、プログラムの合成,理解,修正のために多くの種類の知識を多量に必要とする。このような知識の表現形式として、階層性,モジュラー性の高いオブジェクト指向型の表現形式を検討した。また知識の管理に際しては、本研究者らが既に開発している大規模知識ベースシステムDB-Prologを利用している。プログラム合成には知識工学的手法に基づく効率的なプログラム変換方式を開発した。一方、要求仕様の解析には通常の構文・意味処理のみならず、知識ベースに蓄えられた領域知識やプログラミング知識を有効に利用し、部分的で不完全な仕様からの意味抽出を行わなければならない。これに関しては、本研究者らが研究しているIntegrated Parser(IP)をさらに拡張したものを使用している。また、これらの解析が完全にできるようにIPの改良と同時に文法規則,意味規則,辞書の入力を進めた。仕様中に含まれるユーザの意図を抽出するために、ゴール・プラン・テーマなどの概念を導入した。さらに、入力文に対して目的-手段関係からの推論を行い、抽出された意図を用いて仕様の不完全な部分を補完するメカニズムを開発した。知識の欠落によってプログラム合成が失敗する場合、ユーザに問い合わせを行いながら欠如した知識を獲得し仕様記述の解析を続行する必要がある。このため、主導権混在型対話による会話モデルを開発し、柔軟なユーザインタフェースを実現するための研究を開始している。
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[Publications] 藤井邦和: プロトタイピングと要求定義シンポジウム論文集. 131-140 (1986)
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[Publications] 一本木真史: 情報処理学会第32回全国大会. 345-346 (1986)
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[Publications] 藤井邦和: 情報処理学会第32回全国大会. 347-348 (1986)
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[Publications] 上原邦昭: コンピュータソフトウェア. 3. 55-64 (1986)
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[Publications] 上原邦昭: 人工知能学会誌. 1. 124-131 (1986)
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[Publications] Uehara,K.: Proc.of Logic Programming'85,Lecture Notes in Computer Science. 221. 214-225 (1986)