1986 Fiscal Year Annual Research Report
化学的刺激てんかんモデルとして有用な神経伝達物質物質受容体への作用物質の開発
Project/Area Number |
61224003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 幹夫 千葉大, 生物活性研究所, 教授 (70089598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重紀 千葉大学, 生物活性研究所, 助手 (90092064)
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Keywords | フミトレモルジンA / 向神経性化合物 / 【^3H】-グルタミン酸結合能 / てんかんモデル |
Research Abstract |
痙れん性カビ毒Fumitremorgin A(FTA)は強直性伸展性痙れんを含むてんかん類似の異常行動を示し、その作用は現在使われている抗痙れん薬で抑えられ、また遺伝的てんかん動物に於けるてんかん発生機序にグルタミン酸受容体が関係していることから、最近注目されている同受容体阻害物質2-Amino 7-phosphonoheptanoic acid(APH)でも抑制される事が判明した。それ故、FTAが興奮性アミノ酸受容体に影響を与えている事が示唆された。そこでグルタミン酸受容体への関与の有無を指標として、FTAに関連する構造を有する化合物についてグルタミン酸受容体作用物質の検索を行った。方法は50mM HEPES緩衝液中、被験物質(【CH_3】OH),マウス脳【P_2】画分,【^3H】-グルタミン酸(20nM)を加え、30℃,25分間インキュベーションにより、【^3H】-グルタミン酸の【P_2】画分への非特異的、特異的結合を測定した。その結果、FTAは【^3H】-グルタミン酸の非特異的結合を5×【10^(-5)】M以上の濃度で対数比例的に増加させた。また生体内に存在しない【^3H】-APHでも同現象が認められた事から、【^3H】-グルタミン酸結合増加は【P_2】画分への取り込みに依る結合ではないと考えられた。更に非標識グルタミン酸による影響は前処置ではFTAによる【^3H】-グルタミン酸の結合抑制を、同時処置では、非特異的結合とほぼ同じ増加傾向を示した事から、この【^3H】-グルタミン酸の結合増加は非特異的、特異的両方であり、FTAは【P_2】画分に於いて強い膜変化を起こしたと考えられる。次に数種の合成されたFTA誘導体について【^3H】-グルタミン酸結合に対する影響を検討した。その結果 12、13-deoxy,deprenyl fumitremorgin B,および6-demethoxy,12、13-deoxy,deprenyl fumitremorgin BでFTAよりは弱い【^3H】-グルタミン酸の結合増強を認めた。以上の結果、【^3H】-グルタミン酸結合の増強を示す物質の検索はFTAに代わる新しいてんかんモデル開発のための興奮性アミノ酸受容体作用物質を見つける可能性を強く示唆すると思われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yamazaki,M;Suzuki,S: In;Chember PL,Gehring P,Sakai F,eds.New concepts and Developments in Toxicology.Elsevier Science Publishers B.V.273-282 (1986)