1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61224011
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
塩入 孝之 名古屋市大, 薬学部, 教授 (20012627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 康正 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (90117846)
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Keywords | 環状ペプチド / 抗腫瘍性 / 細胞毒性 / 海洋産天然物 / チアゾールアミノ酸 / イオノフォア / 生体機能 / 固相合成 |
Research Abstract |
近年ホヤ等の海洋生物より、抗腫瘍性ないし細胞毒性を有する、興味ある環状ペプチドが幾つか抽出単離され、構造推定がなされている。これら環状ペプチドは、チアゾール環あるいはオキサゾリン環を含む特異な構造を有している。通常これらは生体内に微量にしか存在せず、その構造は一般に推定の域を出ないものが多く、絶対配置や生理活性の詳細、生体における機能などについては、まだ全く不明であるといってよい。我々はこれらの点を解明せんとして合成研究に着手した。 我々はまずチアゾールアミノ酸の大量合成法を確立し、ついでドラスタチン3(推定構造),アシジアサイクラマイド,パテラマイドA,B,C及びユリチアサイクラマイドなどの合成に成功した。 今回ユリチアサイクラマイドにつき、効率的別途合成法を開発すると同時に、ユリサイクラマイドにつき能率的な固相合成法を採用して、直鎖状ペプチドを合成し、樹脂より脱離後、閉環反応を行い環状ペプチドとした後、最後にオキサゾリン環を構築してその合成を達成した。 また合成に成功したこれらのペプチド及びそれらの合成中間体につき、L1210白血病細胞を用いてそれらの細胞毒性につき検討し、ユリチアサイクラマイドがID50=0.04μg/mLと、最も強い細胞毒性を有することを見出した。また殺細胞性の発現のためには、必ずしも環状構造は必須ではなくむしろオキサゾリン環が必要であることを明らかにした。 これら海洋産環状ペプチドには、その構造から考えて2イオノフォアとしての性質が期待されるが、そのための予備実験として、アルカリ金属(リチウム,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウム)の取り込み実験を、ピクラート法を用いて試みたが、いずれの金属も全く取り込みが見られないことが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasumasa Hamada: Journal of Organic Chemistry.
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[Publications] Shinji Kato: Peptide Chemistry 1987.
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[Publications] Takayuki Shioiri: Journal of Medicinal Chemistry.
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[Publications] Tsuneyuki Sugiura: Tetrahedron Letters.