1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61225003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩沢 康裕 東大, 理学部, 助教授 (40018015)
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Keywords | ニオブ触媒 / 触媒設計 / 表面構造 / EXAFS / 固定化 / メタセシス / 一酸化炭素水素化反応 / エタノール脱水素反応 |
Research Abstract |
本研究では、新しい素材としてニオブ触媒を設計する目的で、ニオブのπ-アリル錯体を用いて新しいニオブ固定化触媒と、また、ニオブのエトキシド錯体を用いて超薄層ニオブ固定化触媒を設計した。さらに、得られたニオブ触媒の触媒機能を見い出すと共に、EXAFS分光法により決定されるニオブ活性構造との対応を明らかにした。 従来の塩化ニオブなどの無機化合物を用いた方法では、Nbの縮合物がもっぱらできてしまい、しかも不均一な表面状態を持ったニオブ担持触媒しか得ることはできない。従って、本計画ではニオブのπ-アリル錯体を用い、素性の明らかな単核ニオブ触媒を合成した。この調製手法により、さまざまなニオブの単核構造をシリカ,アルミナ及びチタニア表面に作ることができた。σ-アリル配位子を持つニオブ単核構造を上記無機酸化物上に固定化すると、プロペンのメタセシス反応に極めて高い活性を持つ新しいニオブ触媒が得られた。これまで活性なニオブ触媒は知られていない。アリル配位子を水素還元で除去して得られる低原子価ニオブ構造は一酸化炭素を水素化して種々の炭化水素を合成することを見い出した。通常のニオブ固体触媒ではこのような触媒作用を全く示さない。得られる炭化水素は【C_2】から【C_4】の炭化水素が81〜86%の高い選択性であった。さらに、低原子価ニオブを酸素で酸化して得られる酸化型のニオブ単核構造は、エタノールの脱水素反応に対し高い触媒作用を示すことが分かった。従来の担持ニオブ触媒は主に脱水反応型であり、はじめての脱水素機能型のニオブ触媒である。 一方、ニオブのエトキシド錯体を用いると、シリカ表面上に単原子層ニオブ酸化物を固定化することができた。この超薄層触媒は、単核触媒と全く異なり、エタノールの分子内脱水反応に対し高い触媒活性を持つことが見い出された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nishimura;K.Asakura;Y.Iwasawa: Chemistry Letters. 1457-1460 (1986)
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[Publications] K.Asakura;Y.Iwasawa: Chemistry Letters. 859-862 (1986)
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[Publications] M.Nishimura;K.Asakura;Y.Iwasawa: J.Chemical Society,Chemical Communications. 1660-1661 (1986)