1986 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属のオキソ・パーオキソ・ハイドロパーオキソ錯体の合成と酸素酸化反応への応用
Project/Area Number |
61225006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
諸岡 良彦 東京工大, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (50167839)
鈴木 寛治 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (30106629)
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Keywords | カチオン錯体 / 配位不飽和錯体 / 配位飽和錯体 / パーオキサイド / 酸化反応 |
Research Abstract |
酸素・アルキルハイドロパーオキサイドなどを酸化剤に用い、遷移金属の塩あるいは錯体を触媒とする選択的な酸化反応を開発することを目的に、これらの酸化剤と金属触媒の相互作用によって生ずると考えられる【O_2^-】,【O_2^2-】,【RO_2^-】などのアニオン活性種と被酸化物との反応について検討した。本年度に得られた結果を以下に記す。 (1)オレフィンを配位子とするルテニウムカチオン錯体の合成。 ルテニウム2価錯体,【〔(N^6-C_6H_6)RuCl_2〕_2】,を原料に用いて、5〜8員環ジェニル基を配位子とする配位飽和カチオン錯体を新たに合成した。また、ルテニウム(【II】)ノルボルナジェン錯体をホウフッ化銀で処理することにより、ノルボルナジエンおよび6-メチルフルベンを配位子として有する配位不飽和なカチオン錯体を合成、単離した。 (2)オレフィン類を配位子とするカチオン錯体と酸素アニオン種の反応。 不飽和炭化水素を配位したパラジウム,ロジウムおよびルテニウムの配位飽和カチオン錯体とスーパーオキサイドアニオン,t-ブチルパーオキサイドアニオンの反応について検討し、上記の酸素アニオン種はオレフィン配位子を求核攻撃することを明らかにした。 一方、パラジウム,ロジウム,ルテニウムの配位不飽和カチオン錯体と、t-ブチルパーオキサイドアニオンの反応においては、アニオン種がカチオン錯体の中心金属を直接求核攻撃し、対応するt-ブチルパーオキソ錯体を与えることを明らかにした。6-メチルフルベンを配位子に持つルテニウムt-ブチルパーオキソ錯体の熱分解反応を検討し、t-ブチルパーオキシ基のエチリデン炭素に対する分子内求核攻撃によりフルベン配位子へ酸素移動が起こることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Noriaki Oshima: Inorganic Chemistry. 25. 3407-3412 (1986)
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[Publications] Noriaki Oshima: Journal of Organometallic Chemistry. 303. C21-C24 (1986)
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[Publications] Hiroharu Suzuki: Organometallics. 6. (1987)
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[Publications] Noriaki Oshima: Journal of Organometallic Chemistry. 314. C46-C48 (1986)
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[Publications] Munetaka Akita: Journal of The Chemical Society,Chemical Communications. 1296-1298 (1986)
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[Publications] Munetaka Akita: Journal of Organometallic Chemistry. (1987)