1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61225017
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 成年 阪大, 産業科学研究所, 教授 (70029875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 秀子 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (70166437)
城 崇 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00029860)
|
Keywords | 有機金属高分子錯体 / 直線状金属錯体 / エチンジイル架橋錯体 / アセチリド錯体 / 二核錯体 / イソニトリル挿入反応 |
Research Abstract |
直線状高分子錯体で、金属をアセチレン結合一つで架橋したμ-エチンジイル構造、M-C≡C-M.の錯体には、分子中金属が全て規則正しく、等間隔で配列した独特の構造と金属間の強い相互作用が期待できるので、その物性および解媒機能には興味が持たれる。そこで、その合成を計画し、先ず研究の基礎となる二核金属錯体の合成と性質を検討した。その結果、1.白金、パラジウムについてトリメチルホスフィン,トリエチルホスフィン,トリブチルホスフィンを配位子とするμ-エチンジイル二核錯体の合成,単離に成功した。また、X線構造解析により、2つの金属の配位平面が互いに直交していることも分かった。μ-エチンジイル二核錯体の生成についての知見も得た。2.目的とする高分子錯体は金属一炭素間結合が比較的弱いために従来法では合成できなかったが、逐次反応で金属核数を増加させる方法により、μ-エチンジイル架橋の白金三核,五核,七核のオリゴマー錯体の合成には成功した。また、μ-エチンジイルとμ-ブタジインジイルの混合架橋にすると高分子錯体を合成できることが分った。3.μ-エチンジイル錯体には、架橋エチンジイル基のπ系を通した金属二核間の強い相互作用に基ずく特異な反応性が期待できるので、単核アセチリドの反応性と比較しながらμ-エチンジイル二核錯体の特徴を検討した。その結果、イソニトリルとの反応において、今迄知られていなかったM-C間へのイソニトリルの選択的なダブルインサーションが起こることを見い出した。単核アセチリド錯体やμ-ブタジインジイル二核錯体では1分子のイソニトリル挿入生成物を与えるのみであるのに対し、μ-エチンジイル二核錯体ではイソニトリルの量比に係わらずイソニトリル2分子の挿入物のみを与えたことは、μ-エチンジイル二核錯体の特徴を反映した結果と考えられる。今後、本錯体の特徴ならびに触媒としての利用を検討する。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] T.Tahara;K.Seto;S.Takahashi: Polymer Journal. 19. (1987)
-
[Publications] H.Ogawa;T.Joh;S.Takahashi;Y.Yamamoto;H.Yamazaki: Organometallics.
-
[Publications] H.Ogawa;T.Joh;S.Takahashi: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.
-
[Publications] H.Ogawa;H.Morimoto;S.Takahashi: J.Organometal.Chem.