1986 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的致死性遺伝子の進化を用いた蛋白質間高次相互作用の解析
Project/Area Number |
61230006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正木 春彦 東大, 農学部, 助手 (50134515)
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Keywords | コリシン / プラスミド / 遺伝子 / 進化 / インヒビター / 免疫性 / 分子識別 / 蛋白質間相互作用 |
Research Abstract |
ヌクレアーゼ様E群コリシンはColプラスミドによりSOS誘発合成される分子量6万の殺大腸菌蛋白で、DNase型のE2,RNase型のE3が有名である。いずれも酵素活性はC末端1/5の"T2A"領域に局在しており、各プラスミドはT2Aに特異的に結合する免疫蛋白Immを合成して宿主大腸菌を致死から防いでいる。E2〜E9コリシンはこの厳密なT2A-Imm特異性を保ちつつ、T2A-Imm遺伝子領域を変化させて進化分岐したと考えられ、私はE2【←!→】(E8?)→E3→(E6?)→DF13という進化モデルを提唱した。(DF13はレセプター認識が異なるがRNase活性がE3と酷似)本研究では進化モデルの鍵となるE8とE6の構造と性質を検討してモデルを補完するとともに、単なる比較から進んで実験室内進化を試み、一般には困難な蛋白質の高度な分子識別機構を、遺伝子の側から系統的に解析した。 1.E8の構造と性質:E8を精製して(1)E8がE2と類似のDNaseであり、(2)Immとの複合体をなすことを示した。一方ColE8の部分配列を決定して(3)E8はE2に酷似の構造を持つが、(4)変異がT2A-Immに集中している事が判明した。(5)またColE3にあるimmE2様遺伝子はimmE8であり、(6)E8の進化上の位置が確定した。 2.E6の構造と性質:(1)相同的組換で作ったE3::DF13キメラがE6と同値な性質を示すことからE6とDF13の免疫性機能が相同であることを示す一方、E6オペロンの配列を決定して、(2)E6とE3オペロンは酷似しているが、(3)変異がT2A-Immに集中している事を見出し、(4)両免疫特異性がT2Aで8個,Immで9個以内のアミノ酸で決定されていると推定し、更に(5)immE3とimmE6間で6種のキメラを相同的組換で作製し、E3とE6の免疫特異性決定基を限定した。 3.実験室内進化:colE3-immE6ハイブリッドオペロンは発現状態で致死となるが、安定化したプラスミドを分離解析すると、ImmE6の1つのTrpがE3型のCysに変異しており、上記2(5)と合せて、ImmE3の免疫特異性がほとんどこのCysのみで規定されている事が判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mari Toba: J.Bacteriology.
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[Publications] Akiko Akutsu: J.Molecular Biology.
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[Publications] Haruhiko Masaki: Gene.
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[Publications] Haruhiko Masaki: Nature.