1986 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチドとモノアミンによる行動制御の可塑性と新しい技術による研究
Project/Area Number |
61231010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 武 東京工大, 国立大学(その他), 助教授 (80064856)
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Keywords | ドーパミン / DOPAC / HVA / Brain-dialysis / アセチルコリン / 線条体 |
Research Abstract |
本研究の主題は脳内神経活動を無麻酔・無拘束ラットの行動を観測しながら経時的に測定することである。ラット脳線条体にミクロ透析チューブを慢性的に挿入し、透析膜を介して脳内の神経伝達物質ドーパミン誘導体DOPACなどを連続的に採取する。採取したDOPACなどを高速液体クロマトグラフィー電気化学検出器で定量した。手術後3日目に無麻酔・無拘束で透析を行ったところ、DOPAC,HVA,5-HIAAが5〜6時間安定であった。次に、種々の薬物に対するこれらの物質の濃度変化について研究した。パーキンソン氏病や老人性痴呆などで問題となっている脳内アセチルコリンニューロンとの相互作用について研究を行ったところ、大変興味あることを発見した。アセチルコリンニューロン作用薬として、ニコチン性とムスカリン性の二種類があるが、ニコチン性作用薬であるロベリンを透析膜を介して脳内に投与したところ、ドーパミンニューロンが活性化された。その活性化は2段階で起ることがわかった。即ち早い活性化とゆっくりとした活性化があり、早い活性化はドーパミンニューロンの終末へ直接作用して活性化していることが判明し、一方のゆっくりした活性化は他のニューロンを介してドーパミンニューロンを活性化していることがわかった。ムスカリン性作用薬であるオキソトレモリンはニコチン性作用薬と同様に2段階の反応がある。しかし、一段階目の反応はドーパミンニューロンを抑制した。これらの結果から、ラット脳線条体内のアセチルコリンニューロンは、ドーパミンニューロンを早く又はゆっくりとコントロールし、ある場合には抑制し、活性化も行うことがわかった。今後更に詳細に検討し、生理的条件下におけるいろいろなニューロンの相互作用を解明するつもりである。特に線条体にはエンケファリン,サブスタンスP,CCKなどが存在するので、これらの可塑性に伴った変化との関係を解明したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Kato;Akihiro Shimizu;Akitane Akiyama;Taizo Nakazato;Hirotaro Narabayashi: Japanese J.Pharmacology. supplement. (1986)
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[Publications] Takeshi Kato;Bei Dong;Kayoko Ishii;Hiroyasu Kinemuchi: J.Neurochemistry. 46. 1277-1282 (1986)