1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61231028
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
前田 稔 順天堂大, 医学部, 助教授 (40101430)
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Keywords | 前庭系の代償機構 / Deoxy Glucose法 / 脳幹・小脳 / Decompensation / Commissural System |
Research Abstract |
本研究は一側迷路受容器の破壊後におこる代償機構の発現機序を〔【^(14)C】〕DG法並びに脳局所破壊巣による方法で調べることを目的とした。 1〕〔【^(14)C】〕deoxy glucose(DG)法による脳局所糖代謝率(LCGU)の測定:(1)非代償期:右側迷路破壊後2時間では、破壊側前庭神経核のLCGUがcontrol値の62%に低下、左側ではほぼcontrol値と等しい。両側のNucl.reticularis parvocellularis(125%),Nucl pontis(150%),posterior vermis(214),Nodulofloccular(150〜200)はactiveであった。24時間後の諸核のLCGUの変動は2時間後の値と類似していた。(2)代償期:破壊側前庭神経核のLCGUはintact sideとほぼ等しい値に回復していた。Nucl.reticularis parvocellularis(140),gigantocellularis(115%),lateralis(130%)並びにsuperior colliculus(130%)の中等度のLCGUの増加をみた。小脳ではposterior vermis(160%)が非常にactiveで小脳核のLCGUの増加もみられた。LCGUの上昇をみたこれら諸核は破壊側前庭神経核のactivityを増す方向に作用することによって代償機能を保持するのに寄与している。代償機能の発現に関与する中枢は一つの核といった単独のものではなく、広く脳幹小脳に分布している。 2〕代償期における脳内局所破壊巣の効果:(1)posterior vermis,fastigial nuclの破壊効果:1〜3ケ月の各代償期にfastigial nuclと共にposterior vermisを吸引除去すると、重篤な歩行障害と頭部の企図振戦がしばらく出現したが、これら症状も次第に消失し、vestibular decompensationの発現は認めなかった。(2)両側前庭神経核間のcommissural fiberの切断効果:各代償期に第4脳室底の吻側端から、obexより2mm吻側部までのmidlineを深さ3.0〜3.5mmで切断、更にvermisの中央部とfastigial nuclを吸引除去した。切断後4〜5日はvestibular decompensationの姿勢異常を呈し3〜5ケ月経ても歩行障害は持続し、特に頭位の動揺時の前(後)肢の失調は著しく、代償されていない。代償の発現に、commissural systemの関与が示唆される。
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Research Products
(2 results)