1986 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体前駆体を用いたメバロン酸代謝物の解析とHMG・COAレダクターゼ活性
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61232028
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
大島 美恵子 医療セ, その他, その他 (20050487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正舒 国立病院医療センター, 臨床研究部, 室長 (40161286)
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Keywords | メバロン酸代謝 / HMG・CoAレダクターゼ / 安定同位体 / 血清メバロン酸 / GC-MS分析 / SIM法 |
Research Abstract |
メバロン酸は、コレステロールとポリプレノール類の共通の前駆体である。しかし、コレステロール経路とポリプレノール経路へ分岐する割合を調節する機構については不明の点が多い。またヒトにおいて、血中メバロン酸濃度が、生体内コレスエロール生合成量と相関すると言う報告がなされているものの、ポリプレノール経路への分岐の割合や、生成したコレステロールが肝蔵で胆汁酸以外の代謝経路に行く割合については知られてはいない。我々はヒトにおけるメバロン酸以降の代謝を安定同位体を用いて解析する事を最終目的として、本年は血中に微量に存在するメバロン酸をガスクロマトグラフィー-質量分析法(GC-MS)を用い、selectedion monitoring法(SIM)により定量する方法を開発した。bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide(BSTFA)-TMCSで反応させるとGCピークの約2割の大きさのラクトン環が開環したTMS誘導体(メバロン酸di-TMS ether,mono-TMSester)が生成した。N-methyl-M(t-butyldimethylsilyl)(TBDMS)誘導体はM-57イオンが大きい為SIMへの導入に有利であるが、ラクトンの開環した誘導体の形成物がGC上認められた。pentafluoropropionic anhydride(PEP)によるアルキル化反応では、メバロノラクトンは安定でPEP誘導体はGC上鋭い1本のピークを示した。以上の結果、PEP誘導体の電子衝撃イオン化法によるm/e82のSIMあるいはメタン化学イオン化法でm/e113のSIMが有効である事が分った。SIMによる定量の結果、早朝空腹時正常血清濃度は80ng/mlであった。今後高脂血症、糖尿病など病態時の濃度を測定し、動脈硬化との相関を調べ、また、ヒト培養血管内皮細胞,皮膚繊維芽細胞を用いて安定同位標識メバロン酸からコレステロールおよびポリプレノール類への取込みを質量分析計により検索測定する予定である。
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Research Products
(1 results)