1986 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ後期市民社会における知の選択と伝播についての科学社会学的研究
Project/Area Number |
61300004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩村 行雄 東大, 教養部, 教授 (30012438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 倫逸 京都大学, 法学部, 教授 (80093227)
上山 安敏 京都大学, 法学部, 教授 (10025132)
佐々木 力 東京大学, 教養学部, 助教授 (00134411)
三島 憲一 東京大学, 教養学部, 助教授 (70009554)
麻生 建 東京大学, 教養学部, 助教授 (80012524)
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Keywords | 制度化 / 人文科学 / 生活世界 / モデルネ / 受容史 / 世紀末 / 芸術運動 / 後期市民社会 |
Research Abstract |
61年度の研究計画のうち、1)世紀末におけるサブ・カルチャーの成立とその社会的背景.3)一つのケース・スタディとして、特異な哲学者ニーチェの影響がどのような経路で社会的な意味をもつに至ったかについての受容史的研究.5)いわゆるモデルネの芸術運動と、そこでの知の新しい選択・伝播の形式.6)既成の制度化された学の社会的影響、以上については相当量の資料を蒐集し、かなりの量の分析・検討がなされた。1)および5)については特に上山を中心にその全体像をとらえる努力がなされ、3)については、これも三島を中心に研究の目的はほぼ達成されている。さらに6)については山本、佐々木、河上等がそれぞれの専門領域を中心に主として社会科学の分野での影響関係の分析についてかなりの成果を挙げた。これらは「研究発表」として挙げた各研究分坦者の論文、著書にも生かされている。特に本年度の一応の締めくくりとしての12月の研究集会においては、研究分担者の下記の通りの報告を中心に、本科研の中心テーマである「知の選択と伝播のメカニズムの解明」について全体的な討議がなされた。(佐々木:科学社会学の現在、河上:「法曹社会主義」批判とエールリッヒ-ドイツにおける法社会史の形成、三島:1890年代のニーチェ受容について-記号の理論的枠組は可能か、清水:世紀末をどう理解すべきか-社会システムと生活世界の観点から、鈴木:ドイツ後期市民社会における文学) しかしながら研究計画のうちの、2)出版社およびジャーナリズムの果した機能、4)青年運動に関する資料蒐集と分析、については、若干の資料蒐集は行ないえたものの、一つは経費の縮減による備品購入上の制約、さらにはドイツ国内での資料蒐集の困難さも手伝って、当初の計画はほとんど果せないでいる。この点は62年度に取りもどす努力をしたい。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 上山安敏: モルフォロギー. 8. 2-15 (1986)
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[Publications] 佐々木力: 思想. 751. 115-147 (1987)
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[Publications] 山本尤: ドイツの言語・文化. 136-144 (1986)
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[Publications] 山口節郎: 社会学の歴史的展開. 107-145 (1986)
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[Publications] 北川東子: 外国語科研究紀要(東京大学教養学部). 33-4. 101-137 (1986)
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[Publications] 井上茂子: 教養学科紀要(東京大学教養学部). 19. 19-37 (1987)
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[Publications] 上山安敏: "世紀末ドイツの若者" 三省堂, 200 (1986)
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[Publications] 上山安敏: "近代ヨーロッパ法社会史" ミネルヴァ, 400 (1987)
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[Publications] 河上倫逸: "ドイツ近代の意識と社会" ミネルヴァ, 400 (1987)
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[Publications] 河上倫逸: "法制化とコミュニケーション的行為" 未来社, 400 (1987)
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[Publications] 三島憲一: "ニーチェ" 岩波書店, 230 (1987)
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[Publications] 佐々木力: "現代数学対話" 朝倉書店, 230 (1986)