1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61300007
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Research Institution | YOKOHA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊地 康明 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (20018047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 萃 京都教育大学, 助教授 (30025069)
中井 眞孝 仏教大学, 文学部, 教授 (00066424)
椙山 林継 国学院大学, 日本文化研究所, 助教授 (90158973)
金子 裕之 奈良国立文化財化研究所, 平城宮跡発掘調査部, 考古第一調査室長 (10000499)
岡田 精司 三重大学, 教育学部, 教授 (20103004)
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Keywords | 神社の総合研究 / 神道と道教 / 神道と仏教 / 神社と民族行事 / 国家と宗教 / 祭祀と葬礼 / 他界観 |
Research Abstract |
この研究の目的は、今日の神社祭祀の起源をなす7・8世紀の律令制神祇祭祀の構造を考察し、その成立過程を明かにすることによって、日本の神祇信仰の世界史的特質を解明しようとする点にある。そのために、日本古代史・考古学・文化人類学・民族学・仏教史・中国朝鮮史など関連各分野の専門研究者の参加を求め、幅広い総合研究を実施しようと計画した。まずこれまでの研究をふまえ、共通課題にかかわる情報の収集交換に努め、またいくつかの神社・祭礼を選び、全員参加の調査と討議を実施した。その活動内容は;別冊研究成果報告I末尾の調査研究記録に記したとおりであり、それに基づき各自の研究成果をまとめたものが、別冊研究成果報告I・IIである。 この報告書は、概報の関係上、各研究内容を完全に収載することは出来ず、また研究結果の共同討議もまだ十分に行時間的余裕がなかった。しかし、結果から見れば、共通課題の認識はそれぞれ十分に踏まえられており、各分担者間の認識の相異点も鮮明に表れていると思う。従って、今後はこの研究成果を出発点として、さらに研究を深めてゆく良い足がかりを提供できたのではないかと思われる。今回の研究では、共通課題である律令制祭祀の解明に力点が置かれた結果、その特質はかなり明かになったと思うが、他面その成立過程の解明については、多くの言及がなされたにも拘わらず、し残された課題は少なくない。この報告書の公刊により、広く関係研究者の検討・批判を受け、研究を深めたい。 今後の活動としては、この報告書の内容を充実整備し出来るだけ早く論集として刊行すること、また 「律令制祭祀研究会」 を設立し、研究活動をさらに継続発展させることを考えている。それによって、この研究を広く国際的な宗教研究の水準にまで到達させたいというのが、私たちの念願なのである。
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