1986 Fiscal Year Annual Research Report
危機状況におけるリーダーシップと避難行動に関する研究
Project/Area Number |
61301013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三隅 二不二 阪大, 人間科学部, 教授 (30037022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釘原 直樹 九州工業大学, 工学部, 講師 (60153269)
杉万 俊夫 大阪大学, 人間科学部, 助手 (10135642)
佐藤 静一 熊本大学, 教育学部, 教授 (10040031)
塩原 勉 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40107016)
安部 北夫 早稲田大学, 文学部, 教授 (30014393)
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Keywords | リーダーシップ / 災害 / 危機管理 / 避難行動 / 意思決定 / 集団行動 / 組織行動 |
Research Abstract |
大規模な自然災害や都市災害の事例研究を基に、危機管理上重要なリーダーシップ行動を抽出し、その測定方法を開発するとともに、抽出されたリーダーシップ行動が組織や集団の諸側面に及ぼす効果性を実験的に検討した。1.長野県地附山地滑り災害(昭和60年7月発生)をはじめとする自然災害および各種の都市型災害,航空機事故,等の事例を体系的にレヴューし、リーダーシップ行動,意思決定,情報伝達過程,避難行動,等の要因の相互連関を検討した。その結果、災害発生時の創発的リーダーシップのみならず、災害発生以前の平常時における行政組織・企業組織の管理・監督者のリーダーシップ行動や学校の教師のリーダーシップ行動が、災害時の避難行動に影響することが明らかになった。 2.上記の視点から、組織体の管理・監督者および教師のリーダーシップ行動を測定する尺度を現場調査によって開発し、平常時の効果的目標達成と災害時の効果的対応の双方を基準として測定尺度の妥当性を検討した。 3.平常時のいかなるリーダーシップ行動が平常時の目標達成と緊急時の迅速な対処の双方にとって有効であるかを実験室実験によって検討した結果、成員個人個人に目標達成への圧力を加えることに加えて、集団全体の共有目標を各成員に認識させるP行動(集団の目標達成に志行するリーダーシップ行動)と、成員の心理的緊張を緩和することに加えて、成員間の対人結合を強化するM行動(集団維持に志向するリーダーシップ行動)の双方を共に強く発輝するリーダーシップ行動類型が最も有効であることが見出された。 4.集団から排斥されることに対して成員が強い不安を有するために、緊急事態に置かれた集団の意思決定における情報処理が不十分なものとなる現象を実験室的に条件分析できる実験手続きを開発し、リーダーシップ行動との関連に関する検討を開始した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三隅二不二: 日本社会心理学会・日本グループ・ダイナミックス学会合同大会論文集. 75-82 (1986)
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[Publications] 三隅二不二: 実験社会心理学研究. 28. (1988)
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[Publications] 三隅二不二: 実験社会心理学研究. 28. (1988)