1986 Fiscal Year Annual Research Report
紛争解決の機構と問題点とに関する日仏比較研究(「第2回日仏法学共同研究」)
Project/Area Number |
61301059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 俊夫 東大, 法学部, 教授 (50009833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 仁 東京都立大学, 法学部, 教授 (50083308)
深瀬 忠一 北海道大学, 法学部, 教授 (60000650)
樋口 陽一 東京大学, 法学部, 教授 (60004149)
星野 英一 東京大学, 法学部, 教授 (80009787)
小山 昇 北海学園大学, 法学部, 教授 (60000642)
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Keywords | 調停 / 紛争処理 / 憲法訴訟 / 行政訴訟 / 政策決定 / フランス法 |
Research Abstract |
私法部門(民商法・労働法)は、調停が日本における紛争解決制度のうちで、どのような地位を占めているかを明らかにすることを目的として研究を行った。まず、対象を絞る必要が痛感され、調停のうちでも、離根,サラ金,消費者取引,借家,交通事故,および、労働事件に関するそれに研究を絞ることにした。まず、公表されている様々な資料の整理・分析から始めたが、微妙な点・メンタルな点については不明なことが多いため、実際に調停にあたっている実務家を招き、あるいは、訪問し、意見を聴取した。これにより、調停の実際の手続、当事者が調停を多用しようとするメンタリティ、その実際の解決結果等、今まで明らかにされていなかった多くの知見を得ることができた。今後は、この成果を仏文・和文の報告書にまとめるとともに、フランス側の報告書と対照し、わが国の紛争解決の特色を明らかにしていきたいと思っている。 公法部門(憲法・行政法)は、憲法・行政訴訟における政策決定問題を扱った。まず、深瀬・兼子を中心にしつつも、共同研究者以外の広い範囲の公法学者から意見を聴取することから始めた。ここにおいて、とくにフランスと比較してのわが国の特色を明らかにするためには、上記訴訟が多大な影響を受けているところのアメリカ法に遡ることの重要性が明らかになった。そこで、アメリカ人学者の援助を得て、アメリカ法との比較をすることにより、フランス側への有効な情報伝達の準備を進めている。今後は、報告書の準備とともに、フランス側の報告書と対照し、わが国における政策決定問題の特色を明らかにしていこうと思っている。
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