Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 一郎 東京大学, 法学部, 教授 (90009837)
樋口 陽一 東京大学, 法学部, 教授 (60004149)
兼子 仁 東京都立大学, 法学部, 教授 (50083308)
深瀬 忠一 北海道大学, 法学部, 教授 (60000650)
小山 昇 北海学園大学, 法学部, 教授 (60000642)
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Research Abstract |
3年計画で行われている本研究は, 研究題目のとおり, 紛争解決の機構と問題点とを日本とフランスについて比較検討するものであり, 具体的には, 第1に, 民商法・労働法・憲法・行政法の各分野につき, 日本側とフランス側が各々自国についての報告書を作成し, それを交換する. 第2に, フランス側から送られてきた報告書を検討し, それへのコメントを作成する, 第3に, フランス側の研究者を日本に招き, 討議を行う, 第4に, その成果をまとめ出版する, というプロセスをとる. 現有は, 第1の段階がほぼ終了している. この段階の研究は, わが国の法をフランス人に伝えることを目的とするため, 新しい知見はたしかにそれほど多くない. しかし, 民事法・労働法に関する紛争解決手段である調停は, これまでその実態があまり明らかにされてこなかったのに, 本研究では多数の調停委員へのインタヴュー等によって, かなり明らかにすることができた. また, フランス側にわかりやすく伝えるための枠組みを考えることにより, 従来とは違った視点からの検討ができたと思っている. 憲法・行政法分野では, これまで正面から研究の対象とされることの少なかった「政策志向訴訟」を取り扱った. 憲法訴訟・行政訴訟のわが国の法についての母法であるアメリカ法との比較等を通じて, その特徴をかなり明らかにしえた. 今後は, フランス側報告書の到着をまって, フランスとの比較研究を進めていきたい. なお, 後掲の小山昇教授の三論文は, 日本の制度をフランス側にわかりやすく伝え, また, フランスとの比較検討の際の基礎を固めるため, 同国の調停概念について研究したものである.
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