1987 Fiscal Year Annual Research Report
学校へのCAIの導入が児童生徒の心身の健康に及ぼす影響に関する総合的研究
Project/Area Number |
61301089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴若 光昭 東京大学, 教育学部, 助教授 (90107467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 和雄 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90024083)
菅井 勝雄 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40000294)
岸田 博公 東京都医師会, 眼科医師
東郷 正美 東京大学, 教育学部, 教授 (70041283)
坂元 昂 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016338)
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Keywords | CAI / VDT / 児童生徒 / 健康 / テレビゲーム / 視覚負担 / 人間関係 |
Research Abstract |
昭和62年度は, 前年度にひき続き,CAI導入校における質問紙調査,ききとり調査及び他覚的視機能検査,フリッカー検査等を実施した. 中間的な結果を含め, 得られた結果は以下のようである. 1.ファミコンなどのテレビゲームに親和性の高い児童生徒は,自覚的健康度,外遊びの時間,友だちの数などの点で,そうでない子との間に差があるとは言えない. むしろ,逆に,同一学校での1年間隔の2回の調査で事例的に検討すると, テレビゲームが嫌いな子の方が心身の健康に対する愁訴数が多いこと,テレビゲームをやる頻度が減少した子どもの方に友だちが減った子が多いなどの傾向がみられた. また,ある小学校においては,テレビゲームをやる子の方がむしろふだん目が疲れない(一部学年の男子),CAIが好きな子ほど,CAI後に目が疲れない(一部学年の女子)などの結果が得られた. このように,質問紙調査からは,テレビゲームの心身の健康への悪影響を示唆する結果は得られなかった. 2.一方,オートレフによる他覚的屈析度等の測定においては, 1時間程度のCAI授業や科学クラブの活動の前後に,一部学年で「調節」の低下がみられた. まだ例数も少なく,測定方法も万全ではないが,1の自覚的健康度の低下がなかったことと対照的な傾向であることが注目される. 3.授業場面の観察および担任,養護教諭等へのききとり調査によれば,質問紙調査の結果,CAIやテレビゲームに親和性が低く,愁訴数の多い子どもの大部分が,授業場面でおちつきがなかったりなど問題をかかえていることが一見してみてとれた. この点については, ソシオメトリー調査などとも比較検討する予定である.
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