1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61302035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 啓介 京大, 工学部, 助教授 (80026244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 靖夫 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (40061501)
広瀬 幸雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (20019425)
三好 良夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029434)
小倉 敬二 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029007)
児玉 昭太郎 東京都立大学, 工学部, 教授 (90087172)
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Keywords | X線回折 / 破面解析 / 残留応力 / 回折線半価幅 / 疲労 / 応力腐食割れ / 高温破面 |
Research Abstract |
1.K値制御した疲労破面に関してX線回折図形の画像処理より軟鋼に関しては最大塑性域と繰返塑性域の分離の可能性が見出された。X線回折図形の画像処理プログラムを発展させ、各材料破壊様式および力学条件で回折図形を分類することが必要である。 2.疲労破面の破面残留応力値は従来引張の場合のみであったが、圧縮の平均応力が大きくなると圧縮残留応力となり圧縮塑性変形の効果が実測された。 3.疲労破面で表層が溶解している場合を含めて、表層を1回除去しそのときの研磨量と残留応力値より塑性域深さを測定する新しい方法が提案された。 4.従来報告のなかった球状黒鉛鋳鉄に関しても、半価幅をパラメータとして疲労破面に関して最大塑性域深さの測定に成功した。 5.腐食疲労破面の残留応力値は、同一△K,Kmaxのときの空中破面より小さく、塑性域深さも小さい。この原因として腐食溶解の他、き裂形成時の電位が重要な役割を果たしている。 6.応力腐食割れ破面の残留応力は電位の影響が大きい。環境下での破壊破面に関しては今後の系統的研究が必要である。 7.不安定オーステナイト鋼ではマルテンサイト変態量が破面形成時の力学的条件を推定するパラメータとなる。 8.セラミックス破面のX線フラクトグラフィとして、アルミナについて破面および破面下の残留応力測定を行い塑性域深さの測定に成功した。今後その他のセラミックス破面への応用の展開が必要である。 9.破面形態として高温破面、腐食疲労破面が新たに解析されたが、塑性疲労破面、クリープ破面への応用が課題で、その基礎となる知識は充分蓄積された。 10.実部品への破面解析の応用として、フックピン、軸受部品、高温機器材料が対象とされた。X線フラクトグラフィ手法が、他の手法にない重要な情報を与えることが証明されるとともに、一方では実動条件の複雑さによる力学条件の解析の困難さが浮上し今後の課題として残された。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] 田中啓介: 材料. 35. 712-718 (1986)
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[Publications] Keisuke Tanaka: International Conference on Role of Fracture Mechanics in Modern Technology. 70 (1986)
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[Publications] 田中啓介: 日本材料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 47-55 (1986)
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[Publications] 児玉昭太郎: 日本材料学会第18回疲労シンポジウム前刷集. 18. 59-63 (1986)
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[Publications] 田中啓介: 材料. 35. 749-754 (1986)
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[Publications] 小倉敬二: 材料. 35. 719-724 (1986)
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[Publications] 小倉敬二: 日本機械学会講演論文集. 864-2. 10-12 (1986)
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[Publications] 小倉敬二: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 152-155 (1986)
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[Publications] 小倉敬二: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 161-166 (1986)
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[Publications] 小倉敬二: 日本材料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 56-67 (1986)
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[Publications] 矢島善次郎: 材料. 35. 725-730 (1986)
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[Publications] Yukio Hirose: Advances in X-Ray Analysis. 29. 265-270 (1986)
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[Publications] 矢島善次郎: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 167-172 (1986)
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[Publications] 津田政明: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 156-160 (1986)
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[Publications] 三嶋忠夫: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 173-178 (1986)
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[Publications] 三嶋忠夫: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 179-184 (1986)
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[Publications] 三嶋忠夫: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 68-75 (1986)
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[Publications] 広瀬幸雄: 日本材料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 76-81 (1986)
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[Publications] 吉岡靖夫: 非破壊検査. 35. 524-531 (1986)
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[Publications] 対馬全之: 日本材料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 82-90 (1986)
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[Publications] 林真琴: 日本材料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 91-100 (1986)
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[Publications] 後藤徹: 日本技料学会第23回X線材料強度に関する討論会講演論文集. 23. 27-34 (1986)