1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61302072
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺田 孚 京大, 工学部, 教授 (40025862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 勝比古 熊本大学, 工学部, 助教授 (20128268)
大見 美智人 熊本大学, 工学部, 助教授 (30040405)
佐野 修 山口大学, 工学部, 助手 (20127765)
水田 義明 山口大学, 工学部, 助教授 (20107733)
斎藤 敏明 京都大学, 工学部, 講師 (90056151)
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Keywords | 不連続性岩盤 / 不連続面特性 / 表面形状 / フラクタル次元 / ダブルトーション試験 / き裂伝播速度 / スキャンライン法 |
Research Abstract |
不連続性岩盤の変形応力解析においては、不連続面の形状、分布および力学特性を定量的に評価して解析に導入する必要がある。本研究ではこれらの不連続特性の定量化に関する基礎研究によってその最も有効な定量化法を確立することを目的としている。 本年度は各メッシュの研磨材および引張破壊によって作った数種類の粗さの表面をもつ岩石試料について、表面プロファイラーによりそれぞれの粗さを計測、電気信号としてデジタル化して記録し、フラクタル次元をもとめて定量化した。さらに、これらの表面を接合させて不連続面とし、この面がせん断面となるようにせん断試験を行って、その変形破壊特性とフラクタル次元との関係を調べた。その結果、表面凹凸のかみあわせを考慮するならば、フラクタル次元で定量化した形状が不連続面の力学特性を評価できる可能性のあることを見出した。また、粗さの空間周波数とパワースペクトル密度との間の対数グラフ上での直線性が失われるコーナー周波数は研磨粒子の大きさに対応していることが確認され、せん断試験後の表面のパワースペクトル密度の低下からせん断により削り取られた表面凹凸の大きさが推定できることがわかった。 一方、ダブルトーション試験を行った後の岩石試料の破壊面についても、表面形状の定量化を行い、これらのき裂伝播速度との関係を調べた。その結果、両者にある程度の相関が見出され、速度の大きい範囲では速度が大きい程フラクタル次元が小さく、表面が滑らかであることがわかった。また、岩盤不連続面分布特性を評価するため、スキャンライン法による新しい方式を考案し、4個所の実鉱山の坑道壁面でその適用を試みた結果、分布特性に異る2種類の不連続面が混在しているケースが多いことを見出した。
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