1986 Fiscal Year Annual Research Report
カテコールエストロゲンの体内動態とその臨床化学的意義
Project/Area Number |
61303018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南原 利夫 東北大, 薬学部, 教授 (30004534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 産婦人科, 講師 (30110852)
宮保 進 福井医科大学, 医学部, 教授 (70019884)
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
吉沢 逸雄 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (80088864)
藤間 貞彦 東日本学園大学, 薬学部, 教授 (30001043)
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Keywords | カテコールエストロゲン / 抱合型エストロゲン / 電気化学検出高速液体クロマトグラフィー / ラジオイムノアッセイ / 芳香核水酸化酵素 / ゴナドトロピン / エストロゲンレセプター / エストロゲン依存性腫瘍 |
Research Abstract |
本研究は、最近注目をあびているカテコールエストロゲンの生理的意義を解明し、診断指標としての可能性を探ることを究極の目的とする。そのため、まず信頼度の高い分析法を確立し、それによって体内動態を明らかにすることを目標とした。 長短相補う方法論として高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ラジオイムノアッセイ(RIA)をとりあげ、カテコールエストロゲン並びにそれらの主代謝産物を対象に体液、組織中レベルの測定法を開発した。HPLCでは、電気化学検出システムが感度、選択性にすぐれることが示され、それによって妊婦尿中に微量にしか存在しない4-ヒドロキシエストロン・4-グルクロニドが新たに見出されるなどその有用性が実証された。HPLC/ECDは、今後二作用電極の適用により、さらに高感度、高選択性を発揮するものと期待される。 一方、RIAでは特異抗血清を得るためのハプテン化を種々検討した。6位を介し高分子キャリヤーを結合させたconjugateによって産生する抗体は、若干の交差反応がみられるものの、RIAに十分使用し得ることが実試料について示された。 つぎにこれらの手法を駆使し、芳香核水酸化酵素(2-および4-hydroxy-lase)の性質、それらの動物種差、臓器差、薬物による誘導などについて精査した。その結果、A環水酸化の消長は、17位硫酸抱合、D環水酸化のそれらと密接に関わることが示唆された。正常月経周期婦人におけるLH、FSHレベルとの関連についても考察し興味ある結果を得た。さらにエストロゲン依存性腫瘍(子宮体がん、乳がんなど)におけるカテコールエストロゲンとそのレセプターの動態を知るため予備的な検討を行い、研究計画進展の見通しをもつことができた。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] K.Shimada;F.Xie;T.Nambara: Chem.Pharm.Bull.34. 179-187 (1986)
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[Publications] K.Shimada;F.Xie;T.Nambara: J.Chromatogr.378. 17-24 (1986)
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[Publications] K.Shimada;E.Nagashima;S.Orii;T.Nambara: J.Pharm.Biomed.Anal.
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[Publications] K.Shimada;F.Xie;T.Niwa;T.Wakasawa;T.Nambara: J.Chromatogr.
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[Publications] T.Kurosawa;U.Niitsu;M.Tohma: Chem.PHarm.Bull.35. 585-592 (1987)
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[Publications] T.Kurosawa;M.Tohma: Chem.Pharm.Bull.
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[Publications] T.Kurosawa;M.Tohma: Chem.Pharm.Bull.
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[Publications] K.Watanabe;R.Kimura;I.Yoshizawa: Chem.Pharm.Bull.34. 2231-2235 (1986)
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[Publications] K.Inoue;I.Yoshizawa: Acta Histochem.Cytochem.
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[Publications] K.Watanabe;I.Yoshizawa: J.Pharmacobio-Dyn.
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[Publications] K.Watanabe;K.Takanashi;I.Yoshizawa: Steroids.
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[Publications] M.Numazawa;S.Satoh: J.Steroid Biochem.
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[Publications] T.Tanaka;M.Katoh;A.Kubodera: Steroids.
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[Publications] 福原克治,松木容彦,南原利夫: 食衛誌. 27. 517-521 (1986)
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[Publications] Y.Fujii;M.Teranishi;M.Mizukami;H.Ukari;M.Yamazaki;Y.Horikawa;S.Kishida;S.Miyabo: Chem.Pharm.Bull.34. 1189-1194 (1986)
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[Publications] S.Miyabo;S.Kishida;E.Ooya;N.Aoyagi;K.Miyanaga;M.Hirai;Y.Fujii: Life Science Advances-Series A(Endocrinology).
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[Publications] H.Honjo;H.Okada;T.Ohkubo;T.Nambara: Acta Endocrinol(Copenh.). 112. 423-430 (1986)
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[Publications] H.Honjo;H.Okada;T.Ohkubo;T.Nambara: Hormone Research.